創業100周年に向けて技術と思いを伝承こだわりを形にする空間デザインの老舗企業 髙沢 忠信 社長
街中の大通りに並ぶ、ショーウィンドウやディスプレイはその店の顔だ。季節やイベントごとに変わる装飾は、歩く人々の目を楽しませる。そんな空間デザインを手掛け、2年後に創業100周年を迎えるのが丸髙工業株式會社だ。 創業者の髙沢勘治氏は、埼玉県の薪炭商の四男として生まれ、織物の町・桐生の足袋屋で修業を積み、上京。1918年に、28歳にして京橋で内装装飾を行う「髙沢勘治商店」を開業した。
当時、京橋伝馬町に開店した老舗百貨店より仕事を受けたことをきっかけに、1936年に帝国議会新議事堂竣工記念の花電車の装飾を手掛け、時代を彩った。 しかし、1945年の東京大空襲を受け、京橋の店は灰燼に帰す。一度は店を畳む覚悟もしたそうだが、現常務の父である2代目・髙沢家次氏が茅場町に本社を設立し、事業再開を決意。 職人気質の2代目は、装飾に使うカーテンをより美しく見せるために、新たなカーテンフックの開発をスタート。アイデアが沸けば、旅行先でも図面を引いたという仕事ぶりからも、その熱意がうかがえる。今もグループ企業の装研株式会社では、機能性の高いカーテンフックを生み出している。 ものづくりの精神は、3代目・髙沢忠信現社長にも受け継がれている。 顧客である百貨店から相談を受けて開発した「スペースラインウォール」は、絵画や美術品などの展示スペースに使用される大型移動壁として多数の特許を取得。〝魅せる空間〞を自由に作ることができ、全国の著名な美術館にも数多く納入されている。「他社に真似できない仕事を続けてきたからこそ、今があります。お客様と共に考え、持てるアイデアと技術力を駆使して、こだわりが実現できた時の喜びはひとしおです」(髙沢社長)感謝の気持ちを忘れず地域に愛される丸髙に 現在では老舗百貨店や諸官庁、大手工芸社などから信頼を得て、商業施設のディスプレイやブライダルの装飾など、手掛ける事業の幅は広がりを見せている。「特に、創業の原点であり長年技術を培ってきた布地を使っての装飾は、他社には負けません」 と、強みを語る髙沢社長。 創業90周年の節目には、伝統的スタイルのカーテン縫製技術を次世代へ繋ぐ願いを込めて「マルタカ クラシカルカーテンスタジオ」をオープン。同社の歴史と、職人技の粋を集めた。 技術だけでなく、人との繋がりも〝財産〞と考える同社は、毎年7月に地域や歴代の社員を巻き込んで感謝を伝えるイベントを開催。OB・OGを招き、現職のスタッフと共に揃いのTシャツを着て地域を清掃する。同じ釜の飯を食べた仲間という意味を込め、ランチは釜めしだ。 こうして受け継がれる技術と思いは、次の100年も色褪せることなく、街を彩り続けていくだろう。 【会社データ】本社=東京都中央区日本橋茅場町2―13―5 丸高クラスタービル2階☎=03―3667―7431創業=1918年3月資本金=3000万円従業員数=40名事業内容=インテリア、店内外ディスプレイ、大型移動壁の設計・制作・施工http://www.marutaka-kk.co.jp
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