特殊紙の無限の可能性で暮らしと文化に貢献ニーズの追求で新たな技術と価値を創造する 渡邉 洋道 社長
国産特殊紙の先駆者である特種製紙と東海パルプの経営統合により2007年に設立された特種東海製紙(東証一部上場)。特種の〝種〞は製紙工程で抄紙機にかけるパルプ原料を種(タネ)と呼ぶことに由来する。 この特種東海製紙グループの一角で特殊紙とその加工製品の開発・販売事業を展開するのが株式会社TTトレーディング(渡邉洋道社長)だ。
特殊紙とは耐水、耐油、抗菌、滅菌、調湿、偽造防止等の特別な機能や特殊な外観を付加した紙のこと。1962年に前身のスピロンが特種製紙の協力を得て国内初の耐水印刷紙「Sベラン」を開発・商品化したことに始まった同社の特殊紙製品は、これまで書籍の装丁や各種パッケージ、ラベル、食品包装、医療や電子部材、文化財保護など幅広い分野で採用されてきた。 中でも今注目されているのが文化財保護分野。一般的な製紙技術で作られた洋紙は含まれる酸化成分の影響により経年で黄変しボロボロになってしまう。重要な公文書や歴史的文書を保存する上では重大な問題だ。 1984年、同社は国の要請で中性あるいは弱アルカリ性の用紙を使用した保護紙・封筒、保存箱「もんじょ箱」を商品化。現在、国内の美術館、博物館のほとんどで使用されている。 現在、アジアでこの技術を有しているのは同社のみ。中国を中心に東南アジアへも販路を拡大している。「水がきれいだからこそ日本はきれいな紙を作ることが得意。当社製品も、欧米の製品に比して品質の高さを評価して頂いています」 と渡邉社長は語る。 製品を生産する特種東海製紙三島工場は富士山からの湧水を使用。近くには名水で有名な柿田川湧水もあり、一年を通して水質・温度が一定なこの水が製紙に適しているのだという。
広い視野を持ち顧客とともにモノづくり
静岡県小山町出身の渡邉社長は、早稲田大学卒業後、特種製紙に研究員として入社。セールスエンジニアも経験し、数々の特殊紙開発に携わってきた。 2014年、実績を買われてTTトレーディングの社長に就任。親会社を退職し、退路を断って現職に邁進している。渡邉社長が日頃から社員に求めているのは〝お客様と一緒にモノづくりをしていく姿勢〞だ。「旧来の製紙業界の慣習にとらわれず視野を広げて、お客様からの様々な要望に一つひとつ丁寧に対応することが大事。そこに新しい需要や技術の発見があるのです。特殊紙には無限の可能性が広がっています。全く新しい価値を生み出すことも可能です。行き着く先は最早〝紙〞ではないかもしれません」(渡邉社長) 今後は保護紙・保護用品分野のさらなる伸長と新製品開発に加え、電子部材のプロジェクトで海外展開も計画中。新卒採用にも注力し、3年後の年商100億円達成を目指す。【会社データ】本社=東京都中央区八重洲2―4―1 ユニゾ八重洲ビル6F☎=03―3273―8516設立=1963年4月資本金=5000万円売上高=80億円従業員数=20名事業内容=特殊加工紙・同製品の開発・販売http://www.tokushu-papertrade.jp
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