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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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日本建設(シリーズNo.1359)

「品質」というDNAを受け継ぐ中堅ゼネコン
新生から急成長を続ける〝シカクイカイシャ〟

日野 直行 社長


 人が財産、誇りを持って、心ある仕事を通じて社員の物心両面の幸福を追求する。現状に甘んじることなく革新にチャレンジする――。日本建設株式会社が1955年の創業以来、時代の流れや経営環境に左右されずに受け継いできた企業理念である。
「品質の良い建物を作るためには社員とその家族が幸せでなければならない。幸せだからこそ、心からお客様を大切にできるのです」
 と、自ら策定を指揮した企業理念の意図を解説する日野直行社長は、62年に入社したプロパー社員。「世襲制度がない会社」「働き甲斐のある会社」「全員共通の目的を追求、実践する会社」という創業の精神を引き継ぎ、2006年から同社の5代目社長に就任した。


 創業当時はガソリンスタンド建設を主業務とし、「品質の日本建設」を掲げる同社は、車社会の発展と成熟の中で右肩上がりに急成長を続けた。厚い信頼を寄せる大手石油会社各社からの受注に対応するため、創業と同時に構築した大阪と東京の2拠点体制から、わずか5年で全国の主要都市へと支店網を広げていった。
 ガソリンスタンドの市場が飽和状態となれば、大手自動車メーカー各社の販売店の建設や不動産分野などへ事業領域を拡大。やがてバブル景気を追い風として同社の業績は大きく引き上げられ、ピーク時の売上高は665億円(91年)を記録した。本業とする建設業の周辺業種に様々な関連会社や新規事業を立ち上げ、株式公開も指向していた。
 しかし、バブル崩壊によって同社を取り巻く環境は一変し、「苦闘」の時代が訪れる。二十一世紀を迎えた頃には、最盛期と比べて売上高や社員数は半減。06年、遂に不動産部門と建設部門の分割を余儀なくされた。
 その時、断腸の思いで会社分割を決断した故・積山吉興会長(2代目・4代目社長)から「新生 日本建設」の舵取りを託されたのが、当時名古屋支店長を務めていた日野社長である。
「俺について来い」と、幹部社員たちに檄を飛ばしながら難局に立ち向かってきた日野社長は、「品質の日本建設」を愚直に追求する経営方針を着実に全社へ浸透させてきた。社員の〝真面目さ〟を評し、同社を「シカクイカイシャ」と表現するクライアントも多い。

真面目に品質追求
役員と社員の会社

 日野社長のリーダーシップに導かれ、量より質を重視した堅実な〝ものづくり〟を貫きながら、無借金経営と緻密な原価管理で安定した財務基盤を作り上げた同社。業態を建設業に特化させ、本社機能も東京に移転した。現在は、創業の地である大阪(登記上本社)に加え、札幌、仙台、東京、名古屋、広島、福岡の各支店が独立採算的な経営を行い、バランス良く同社の業績を構成している。現場を重視する日野社長は年に3回程度、全支店を巡回して現状把握に努めているという。
「今後は、各支店が地元での顧客開拓力をさらに高める必要があります。特に営業社員は異業種とも交流できる場に積極的に足を運び、地域に溶け込むことが信頼と人脈を作るきっかけになるのです」(日野社長)
 また、民間建築が大半を占める同社の実績は集合住宅から店舗・商業施設、工場・倉庫、医療施設、オフィスビルなど実に多彩。ハイレベルな品質はクライアントやエンドユーザーの満足度だけでなく、作品としての評価も高い。12年に手掛けた「文京区立森鴎外記念館」は、一般社団法人日本建設業連合会が選ぶ「第55回BCS賞」を受賞した。
 創業から成長期、苦闘の時代を経て新生した同社は、リーマン・ショックや東日本大震災など度重なる環境変化を全社一丸で乗り越えてきた。業績も再び成長軌道に乗り、いまや独立系の中堅ゼネコンとして独自の地位を確立している。
 そして5年前、持株会社として日建ホールディングス㈱を設立し、会社分割によって他社が取得していた全株式を買い取った。役員だけでなく社員も出資し、同社は名実ともに「役員と社員の会社」となったのだ。
  
人材の採用と教育を強化し
受注高1000億円目指す

 昨年度の全国建築受注高(建設通信新聞調べ)で全国28位にランクインした同社。今年2月の決算では、受注高が684億円に達した。これは、バブル期を上回る過去最高値である。
 そして、今年4月に日野社長から発表された5年後の目標は「受注高1000億円」。来期は既に700億円超の受注が見込まれ、着々と目標に迫る中、日野社長が最も力を入れているのが人材の採用と教育だ。
「目標を達成するには優秀な人材が必要。即戦力となる中途採用はもちろん重要ですし、世襲制度がなく、オーナー会社でもない当社はプロパーの活躍が不可欠です。人を育てることは簡単ではありませんが、新卒を採用して企業文化を継承していくことが当社の財産になります」(日野社長)
 階層別や年次別研修を定期的に行う同社。日野社長は、主に本社の技術営業部や外部の講師が社員教育を行ってきた従来の体制を見直し、支店内の知識豊かな人材が講義を行う仕組みに変えた。その狙いを語る。
「1時間の講義を行うためには、10時間勉強しなければなりません。教えられる人だけでなく、教える人も成長させることで人材の品質が底上げできるのです」
 技術職には資格取得を奨励し、一級建築士や一級建築施工管理技士の資格を取るための学校受講費用を2年間は全額負担。社員一人ひとりのキャリアアップを手厚くサポートしている。
 また、日野社長は積山会長からの遺言を受け、社内情報誌『N─Wave』を発刊し続ける。社員たちの豊かな心を育て、人間形成に繋げることを目的として25年前に創刊した同誌は現在、通巻98号を数えている。
 昨年迎えた創業60周年は通過点。先人たちから受け継ぐ「品質」というDNAに新たな人材のエネルギーを加え、同社は次の時代を作ろうとしている。    

【会社データ】
大阪本社=大阪府大阪市中央区淡路町1―7―3 日土地堺筋ビル5F
☎=06―6226―0630
東京本社=東京都文京区小石川1―15―17 TN小石川ビル4F
☎=03―5844―1381創業=1955年8月
資本金=20億円
社員数=354名
売上高=564億円
事業内容=建築工事の施工・企画・設計、リニューアル事業
http://www.nihonkensetsu.co.jp

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