ベトナム進出で活路を開く小型精密部品メーカー小ロット・量産の両面対応で新規受注獲得狙う
中村 錦徳 社長 チャイナ+1といわれ、成長著しいベトナム。日系企業の進出も相次いでいるが、進出時期が2008年のリーマンショック以前か以後かで大きく様相が分かれるという。特に製造業においては、08年以前の進出企業が生産基盤の整備をいち早く終え、フル稼働体制に入っている。 1951年10月設立、今年65周年を迎えた精密切削部品加工メーカー、中村精密工業株式会社(中村錦徳社長)も07年12月にベトナム・ハノイでライセンスを取得、翌年4月に「ナカムラベトナム」設立。今、現地社員50名体制でフル稼働中だ。正に、ベトナム進出で活路を開いた日本の老舗モノづくり企業といえる。
設立以来小型精密部品の挽物加工を得意とする同社は、現在の八王子本社工場に加え、1973年10月には宮城県に三本木工場を設立。バブル期までは業績も順調に推移していたが、バブル崩壊以降長期低迷に苦しむことになる。 そんな折の98年、25歳で同社に入社した中村錦徳社長は、先代社長と対立しながらも10年間製造現場で経験を積んだ後、35歳でベトナム進出の采配を任される。 苦労を重ねて08年4月、現地法人設立に漕ぎ着けたが、その年の8月リーマンショックが世界を襲う。だが、中村社長はそれを好機と捉え、ベトナム現地社員の教育に専念。例えば「キレイ」という言葉をどう解釈するか。そのレベルを日本のモノづくりメーカーの職人並みに引き上げることで、自ずから出来上がる製品の品質も格段に上がった。 08年にはベトナムで「ISO9001」を取得。品質管理・納期厳守を徹底し、現在では50名の現地社員が誇りを持って、小型汎用エンジンのキャブレター部品や、医療機器・ATM・バーコードプリンター部品等の製造に取り組んでいる。切削加工技術を生かして誇りに思える会社に 中村社長が1週間ごとに日本とベトナムを行き来し、忙しく立ち回る間、国内2工場を支えてきたのが、1歳違いの弟の中村典生専務。2年前、先代社長が他界した後、現職に就いた2人のタッグは益々強固になった。現在では、三本木工場の責任者も加えて3人のトロイカ体制で魅力ある会社創りに邁進しているところだ。 高精度精密部品の製造に自信を持つ同社の品質基準は、「お客様の立場に立った時、受け取った部品をどう思うか」というもの。ベトナムでもその基準に沿って生産される製品は、日本・ベトナムはもちろんASEAN、中国にも出荷され、高い評価を得ている。 写真のけん玉のように、小ロットの身近な製品の加工にも対応する同社は、量産体制も整えて新規受注獲得に積極的に取り組む。「精魂込めて製品を作り込むのは社員たち。中村精密工業で働くことが、日本でもベトナムでも誇りに思えるような会社にしたい」 と、中村社長は話す。【会社データ】本社=東京都八王子市楢原町1505☎=042-623-0238設立=1951年10月資本金=1200万円社員数=75名(ベトナム含)事業内容=各種小型精密部品の製造及び組立http://www.nskk-n.co.jp
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