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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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長谷川製作所(シリーズNo.1355)

「まちと現場を明るく照らす」70年企業
若い力で「オンリーワン企業」目指す


長谷川正 社長

「ニッチ市場」でも一際輝く大きな存在感を示す「オンリーワン企業」――。中小企業が末永く繁栄し続ける道の一つだが、その好例といえるのが、1946年1月設立の仮設電気工事用配線・照明器具メーカー、株式会社長谷川製作所(長谷川正社長)だ。
 設立以来同社は、電球ソケットなど合成樹脂製配線器具を製造販売していたが、その納品先である電気工事現場で、毎回電源を取るためのケーブルを手作りで作成し間に合わせている光景を見て、仮設電気工事用分岐ケーブルを開発・製品化。それが様々な工事現場で重宝され、瞬く間に普及。以後、仮設工事用各種器具の開発・製造・販売にシフトしていくことになる。


 仮設電源用分岐ケーブル「ESケーブルシリーズ」に始まり、トンネル工事用照明器具「ポールランタンシリーズ」、移動式仮設照明器具「パノラマ式スタンド」など、いずれも工事現場の切実なニーズを汲み取り製品化したもの。同社では、それらの生産設備の構築から設計・製造・品質管理・販売・保守メンテナンスまで、すべてのプロセスを自社で一貫して遂行する。
 全社員が第2種電気工事士の資格を持ち、川上から川下まで多岐に亘る業務に携わる平均年齢33歳・15名の少数精鋭を率いる長谷川社長は67年生まれの49歳。
 北海道大学経済学部卒業後、住友電工に入社。8年間勤務の後、99年に同社に入社した長谷川社長は、製造現場で5年、営業職を8年経験し、2012年に現職に就任した。以来、98年に入社し開発・製造部門を担当する2歳違いの弟・長谷川雄大専務との二人三脚で経営の舵を取る。
「社歴70年の老舗ですが新陳代謝が進行し、現在社員の平均年齢33歳。若い力と柔軟な発想で、今後も市場のシーズからニーズをすくい上げ、新製品を世に送り出すことで『オンリーワン企業』を目指したい」
 と、長谷川社長は若い社員達の成長に期待を寄せる。

高い利益率を生み出す
自社ブランド製品の数々

 主要取引先であるレンタル・リース企業向けには、各企業の独自色を打ち出した各種のOEM製品を供給している同社だが、基本的には設立以来価格競争のない「自社ブランド製品」作りにこだわってきた。
 先に述べた各種配線・照明器具シリーズのほか、国内唯一のインジェクションブロー成型技術で製造した街路灯用カバー「アクリル・グローブ」や外壁タイルの落下を防ぐ取付システム「カーニバル工法」、屋外の祭りやイベントで重宝する「提灯コード」など、いずれも独自の技術が生きるオリジナル商品の数々だ。
 照明のLED化にも対応する同社には全国から引き合いが舞い込み、大阪・仙台にも営業所を展開。「まちと現場を明るく照らす」をテーマにした高付加価値製品で、「オンリーワン」の輝きを放つ異色企業だ。

【会社データ】
本社=埼玉県川越市下小坂52
☎️=049-233-1021
設立=1946年1月
資本金=1200万円
事業内容=仮設工事用配線照明器具、街路灯用大型アクリル成型品、外壁タイル製品製造・販売
http://www.e-hasegawa.co.jp

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