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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ニチダン(シリーズNo.1331)

北海道を制する技術力で全国、海外へ進出
社員と共に考え・行動し・実現する断熱工事会社

北川 謙治 社長
 
      北の大地で頂点を極める技術力は本州、そして海外へ。道内で大手ゼネコンの物件を任されるなど、断熱工事で道内屈指の実績を誇る株式会社ニチダンは活躍のフィールドをさらに広げようとしている。

「高い精度が求められる断熱施工の技術力は、どこにも負けません。当社には全国でも指折りの技術者が多数います。実際、各地から難易度が高い物件の依頼が集まり、同業者が当社に勉強しに来ることもあります」
 と、技術力に絶対的な自信を持つのは北川謙治社長。入社してから人一倍の向上心で技術を磨き、同社の躍進を牽引してきた。そして、5年前から代表を務める。


「現場で様々な施工に直面しながら、『お客様から認められたい』という一心で技術と方法論を学びました。周囲が『できない』と思っても、『当社ならできる』という物件が増えてきました」
と、北川社長は話す。
 多様な断熱工事の中でも、特に高層ビル・マンションといった大型の建物や冷凍冷蔵貯蔵庫・トンネルなど特殊な工事では圧倒的なシェアを誇る同社。発泡ウレタン吹付工法に加え、複雑な天井裏でも隙間なく施工するブローイング工法ではパイオニア的存在だ。北米発祥の壁吹込断熱工法「BIB工法」や、定番とも言える耐火被覆工事も豊富な実績を持つ。
 また、同社は工事に用いる車両や発泡機といった設備の面でも他社を大きくリード。成果に基づく積極的な設備投資は、人材教育にも繋がっているという。
「利益が増えれば設備や機械、車両などを新しくし、報酬として社員にも還元できる。そのためにも、社員には『どうすれば利益を出せるか』を考えさせ、安全最優先、原価管理、徹底した品質管理を教えています。同じ現場の施工でも、完成までの日数や原価に差が出るのは何故か。常に社員一人ひとりが考えることが成長に繋がるのです。社内の風通しの良さが利益の源」
 と話す、北川社長の経営は全てオープン。その狙いは、原価意識の向上によって技術レベルを高い水準で均一化することにあるのだ。

社員への厳しさと愛情
不燃ウレタンの普及も

 いわゆる「3K仕事」というイメージが残る断熱工事会社の中でも、同社の正社員の定着率は高い。その要因は、厳しさの中に溢れる北川社長の社員に対する愛情だ。
「一生懸命に頑張る社員全員が大好き。誰か一人だけが豊かになるのではなく、皆が幸せになるために、仕事では厳しく接しています」
 と話す北川社長が見つめる先は海の向こうだ。現場管理や資材調達の窓口とすべく、一昨年に東京で合弁会社を創設。この程、タイの企業にも出資した。
 また、大手化学メーカーと共同開発した世界初の不燃ウレタンを重用し、地球温暖化抑制にも貢献する新たな施工を全国に普及させている同社。北川社長が掲げるスローガンは「考える(think)・行動する(action)・実現する(realize)」だ。

【会社データ】
本社=北海道札幌市東区北28条東20―4―1
☎=011―782―4000
設立=1978年8月
資本金=3000万円
社員数=30名
売上高=10億円
事業内容=断熱工事
http://www.nichidan.com

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