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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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医療法人新中医 李漢方内科・外科クリニック(シリーズNo.1338)

「がんとの闘いだけが人生ではない」
生活の質の向上を目指す漢方クリニック


李 向軍 院長


「私が目指しているのは、がん患者さんが、病人として苦しみや痛みを我慢しながら治療を続けるのではなく、がんとうまく付き合って普通の生活を送れるように導くことです」
 と話すのは、兵庫県の西宮北口駅から徒歩2分ほどに立地する医療法人新中医李漢方内科・外科クリニック李向軍院長だ。


 オレンジを基調とした明るく清潔な院内。がん治療をメインに、男女の不妊症、糖尿病、高血圧、不定愁訴など幅広い症状に対して、中国で古くから行われてきた伝統医学・中医学を用い、日本人の体質に合わせた治療を施している。
 患者の全身を見る「望診」、声の調子や臭いを感じる「聞診」、脈などにふれる「切診」、体の不調を問う「問診」などからなる中医学の診察法の主体である「四診」を用い、時間をかけて患者の不調の原因を探り、一人ひとりに合った漢方を選択する。
 また病状によっては併設の趙中医鍼灸院も併せて利用することで、より良い効果が期待できる。

漢方治療を併用し
普通の日常生活を

 中国吉林省吉林市立病院での勤務を経て日本国医師予備試験に合格し、神戸大学医学部に5年次編入。そして日本国医師国家試験に合格し、内科の専門医を目指していた李院長。しかし、大学病院での研修中、多くのがん患者の抗がん剤治療による体力低下で仕事を辞めざるを得ない姿や、副作用に耐え切れず途中で治療をやめる姿などを目にする中、心に浮かんできたのが中医学だったという。
「中医学をうまく利用すれば抗がん剤の副作用の軽減や免疫力の回復に役立てるはず、と中医学の道に進むことを決心したのです」
 兵庫県県立尼崎病院の東洋医学科で日本の漢方を学んだ後、中国に戻り中日友好病院などで中医がん治療の名医・張代釗先生らに師事し、実際の治療現場を経験した。
「中国では昔から、西洋治療と漢方治療を併用してがん治療を行ってきた歴史があります。経験や症例数が日本に比べて圧倒的に多く、それを実際に見聞きし、経験してきたことが私の一番の強みです。机上の知識ではない本当の知識で患者さんに向き合えます」
 と李院長は語る。
 現在、アメリカでも漢方を用いた抗がん剤についての論文が発表されるなど、漢方によるがん治療が注目され始めている。また、手術や抗がん剤の副作用で、食欲が低下すると免疫力が落ち、がんが再発しやすい状態になるが、積極的に漢方治療を併用することは再発予防に効果があるという。
 李院長が大切にしているのは患者の立場に立って工夫して考えること。
「治療が苦しく、悲観的でうつ状態だった患者さんが当院に通ううちに、明るく生活できるようになることがありました。希望が湧くと免疫力も上がります。がんに人生を支配されることなく、患者さん自身の人生を取り戻すお手伝いをしていければ」




【医院データ】
所在地=兵庫県西宮市甲風園1-10-1 サテライトビル2-401
☎=0798-61-6557
http://li-kanpo.com

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