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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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大有コンクリート工業(シリーズNo.1328)

コンクリート二次製品の〝若き〞老舗メーカー
柔軟な発想と遊び心で土木分野の事業領域拡大

川中 洋太郎 社長

 創業から90年近い歴史を重ねても尚、眩い若さを保ち続ける企業がある。愛知県名古屋市でコンクリート二次製品を製造販売する大有コンクリート工業株式会社だ。
 道路の舗装工事で東海地区屈指の実績を持つ大有建設㈱とルーツを共にする同社。道路舗装に用いるコンクリート製品の製造から事業をスタートし、地元地域の交通インフラの発展と整備に大きく貢献してきた。
「お金のためではなく、住民の皆様に安心・安全を提供し、社会に貢献する製品を作り続けて来ました。良い製品を提供して、お客様から笑顔を頂くことが私たちの生きがいなのです」
 と話すのは、川中洋太郎社長。4年前、35歳で先代である父君から事業を継承した若きリーダーだ。


 道路・側溝をはじめとする土木関連分野のコンクリート二次製品で、愛知県内ではトップクラスの市場シェアを誇る同社。その高い技術力は製品ジャンルの幅を着実に広げ、近年では環境に配慮したリサイクル製品や光触媒を使った製品など、新境地を開拓している。
「私たちの仕事は下請けではなく、営業力や商品力、技術力など自分たちの力で作り出せるもの。硬いコンクリートに柔軟な発想と遊び心を取り入れ、進化させてきました。今後も、土木や建設に関わる新しい分野にも積極的にチャレンジしたいですね」(川中社長)

 平均年齢は約40歳。業界では目を見張る若さから生まれるアイデアこそが、同社の進化を後押しする。川中社長も20年ほど前、自らコンクリートを使った駐車場の車止めブロックを発案し、今ではポピュラー製品になっている。アイデアを潰さず、形にできる底力と風土が社内に根付いている。
「欲を出さず、真面目で堅実な経営によって歴史を繋いできた会社ですが、若手が成長できるフィールドを常に用意しています。若手だけで行う会議を企画し、特許商品も生まれています」
 と川中社長は話す。車止め「セーフティストッパー」でフランチヤイズ企業を募集するなど、新製品の製造販売におけるパートナーシップの強化にも積極的だ。

人材強化で永久存続に挑戦
「100年企業」は通過点

「全従業員の物心両面の幸福を追求し、商品・サービスを通して社会の発展に寄与する」という企業理念を全うし、社内活性化と若手の積極起用を推進する川中社長。中長期ビジョンの中核にあるのは、「永久存続企業」への挑戦である。
「売上を伸ばすのは当然のことですが、一番重要なのは『人』。従業員を増やし、人と商品を強化すれば、まだまだ伸びしろがあります」
 と、人材教育に力を注ぐ川中社長は「柔軟な発想と意欲溢れる人材」を求めている。全社のコミュニケーションをさらに高めるため、20年ぶりとなる慰安旅行の復活やフットサルチームの結成、今年はバーベキュー大会なども企画。一丸となって視界に捉える「100年企業」は、同社にとって通過点でしかない。 

【会社データ】
本社=愛知県名古屋市中区金山5―14―2
☎=052―882―6291
創業=1928年7月

従業員数=100名
売上高=約29億円
事業内容=コンクリート製品の製造販売など
http://www.taiyu-con.jp

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