「メンマの名付け親」として知られる老舗メーカー
「ラーメンにはメンマ」で欧米へも進出
松村 大輔 社長
冬も深まり、寒さが厳しさを増す今日この頃、湯気の立つ熱いラーメンが恋しくなる季節だ。ラーメンに欠かせない「メンマ」。その名付け親として、知る人ぞ知る丸松物産株式会社を紹介する。
台湾で貿易商を営んでいた前会長・故松村秋水氏が1948年東京都世田谷区に個人企業として創業。1950年当時、シナチクと呼ばれていた麻筍を「メンマ」(メンに入れるマチクの略)と名付けたという。
当初、原料の仕入れは殆んどが台湾からだったが、現在では95%が中国。中国生産農家の栽培指導と共に、日本企業唯一、中国工場を1992年に設立。売上比率の60㌫がメンマで、その他缶詰、惣菜、調味料など幅広い商品を扱い、国内では山形にも工場を持つ同社。 両生産工場では、生産面での安全・安心への取り組みとして、ISOとHACCPの品質マネジメントシステムの認証を取得。トレーサビリティーも万全だ。「70年もの社歴で培ってきた、生産地の開拓、製造や販売等の様々なノウハウが我社の強みです」 と話すのは、同社入社後7年間で財務・仕入・営業・経営を学び、今年10月社長に就任した松村大輔社長。 社員の家庭生活を大事に、仕事も家庭も両立させるという先代・松村金栄会長の信念を引き継ぐと共に、新しい改革にも着手している。 安心して働ける職場造りのために、福利厚生の充実と共に個性を活かした上での、業務の客観的な評価システムを導入。また、無駄な会議等を極力減らし、ONとOFFの切り替えを明確に、残業を無くしても売上の落ちない体制を目指す。「業務の『見える化』の推進と、職場の環境整備に力を注ぎ、離職率を低減し、入りたい会社、誇りの持てる会社にしていきたい」 と松村社長は意気込む。 将来に向けて次なる一手は欧米進出と放置竹林活用 メンマの国内需要が頭打ちの現状を踏まえ、現況のアジアだけでなく、ラーメン人気が高まる欧米を中心に、海外展開に挑む同社。 そのために今年10月海外事業部を設立。「自ら現地に赴き、地域の現状を肌で感じることが重要です」(松村社長) 海外事業部では各国向けの提案資料を作成し、協力関係にある輸入業者との提携でラーメン文化を発信、販売に結び付けていく方針。ラーメンも多様化が進む中、「ラーメンにはメンマ」をアピール。将来的には海外売上比を15㌫以上に伸ばすのが目標だ。 一方、原料の仕入れが中国に偏り過ぎている現状を解決するため、今、日本で課題となっている放置竹林問題に着眼。増え過ぎる竹の有効活用の方法として「メンマ」用の竹の収穫・加工を模索している。現在、同様の取り組みを行う農家と協力して市場を開拓中だ。「今後は、既存の取り扱い製品以外の新しい分野で、もう一本の柱を作りたい」(松村社長)【会社データ】
本社=東京都世田谷区代田1―47―2
☎=03―3419―1611
設立=1983年5月
資本金=9800万円
社員数=130名
売上高=42億8千万円
事業内容=メンマ等和洋中食材の製造・輸出入・販売
http://www.marumatsu-mb.co.jp
[3回]
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