日本のものづくり現場の問題を解決活躍の幅を広げる特殊金型メーカー
本間 聖敏 社長 日本のものづくりは世界的評価を得ている。しかし、技術を支える職人の高齢化や、若手技術者の不足は、近年浮き彫りになっている問題の一つだ。「それは金型の製造現場も同じ。そこで、長年の熟練が必要で時間もかかるワーク取り付けの位置決め工程を標準化・効率化する『ホンマ マルチ チャック』という高精度位置決めシステム治具を開発しました」 と語るのは、株式会社本間製作所の本間聖敏社長。
自社でも抱える製造現場の課題を解決するため、金型製造の技術を生かし、同製品を世に送り出した。 様々な工作機械に対応する同製品は、位置決め時間の大幅短縮をもたらし、生産性の向上にも寄与。また、繰り返し位置精度2μ以下の再現性を実現、熟練の職人に頼らない、安定した高精度のものづくりを可能にした画期的治具だ。 1941年の設立、今年で75周年を迎えた同社は、日立金属㈱を主要取引先に、極めて高い精度が要求される金属粉末成型金型の製造で技術を蓄積。主にモーターなどに使われるマグネット類の成型金型でシェアを拡大してきた。 だが、バブル経済の崩壊で転機が訪れる。日立金属1社との取引が9割を占める中、バブル崩壊とともに売り上げは半減。入社以来製造現場から管理部門まですべての部署を経験した本間社長はその時、新規取引先の開拓に奔走したという。「HDD用ボンディング治具など精密治具の自社開発が評価されてPCメーカーなど数多くの企業に採用されました。当社が製作する精密治具を使えば、細かい部品も精度高く製造でき、高付加価値商品が提供できることが何よりの強みです」 と、語る本間社長。 同時に、医療・食品用などのパッケージに用いられる打ち抜き・成型金型の製造にも進出。柔らかいフィルムを瞬時に打ち抜くための型は、持ち込まれたイメージを元に設計から同社が行う。1μ以下のクリアランスで調節される精度の高さが評価され、現在では大きな柱の一つとして、シェアを伸ばしているという。自社商品の強み他の営業にも貢献 リーマンショック後に開発された「ホンマ マルチ チャック」も、今では大手自動車メーカーなどに重宝される治具に成長。自社でも使用し、実際に加工現場を見てもらうことで、その優位性を披露。また、工作機械メーカーと組み、設備投資の際にセットでの導入を図る戦略も功を奏した。 また、展示会出展の際には、生産技術部門の担当者にアピール、それがきっかけで金型製造の仕事にもつながっているという。「日本のものづくりの技術力がどれほど高くても、その維持が課題です。ものづくりの現場も今後益々変化していくことでしょう。それに対応できるよう業界も意識を変えていくべきです」 と、語る本間社長のまなざしに、日本のものづくりの熱き魂を見た。
【会社データ】熊谷工場=埼玉県熊谷市三ヶ尻5361☎=048-532-6551創業=1941年4月資本金=7500万円従業員数=60名事業内容=特殊金型製造・精密治具製造http://www.honma-k.co.jp
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