生活の安全を支え、便利を作る東大阪の「バネの匠」
吉村 篤 社長普段あまり意識することはないが、バネは日常生活に不可欠な存在といえよう。携帯電話やパソコンはもちろんのこと、ボールペンや傘など、生活の様々な場面で顔をのぞかせる。また、技術の先端をいく自動車や航空宇宙、医療などの産業に欠かすことのできないパーツでもある。 そんな重要部品を作り続けて67年、ものづくりの町として知られる東大阪市に本社を構えるフセハツ工業株式会社は確かな品質で高い評価を受けているバネの総合メーカーだ。
「伝統的な職人技術を大切にしながら、最新設備による生産技術によってお客さまが求める品質・価格・納期にお応えしています」 と話すのは吉村篤社長。 大阪明星高校を経て、早稲田大学法学部に進学、卒業後は教育関係に携わるも、28歳の時に家業である同社から声がかかった。「決して後継者として呼ばれたわけではありません。それこそ苦情の処理から製造現場の手伝い、在庫管理、機械の廃棄までありとあらゆる仕事をこなしました」 と当時を振り返る吉村社長。この時の苦労が後に経営者として辣腕を振るう礎になっているのだろう。 2014年に同社4代目社長に就任するなり社内改革を断行する。「やや商社的」(吉村社長)になっていた業務をものづくりの会社へと回帰。1個のバネの試作から何百万個の量産まで、そして組立作業の効率化も含め、顧客とともに専属の営業担当者が一緒に考え、全面的にサポートする体制を構築した。 昨年11月には『航空機産業向け耐熱性バネの試作サービス』を開始し、経済産業省より補助金の交付を得るなど技術革新にも余念がない。 同時に、人材の育成にも並々ならぬ意欲を燃やす。社長就任年から新卒採用を開始。採用基準は「ものづくり大好き人間」「社長になりたいと発言できるような向上心の持ち主」だという。 さらに、組織の意思を横断的に疎通させるため、定期的に会合を開くように。吉村社長及び役員に加え、品質管理部長、20代の第一製造部長、30代の第二製造部長も参加。若手と熟練、ハイテクとローテクがうまくかみ合った新生・フセハツ工業を目指している。日本全国で活躍するフセハツのバネ 現在の中心は自動車関連部品で、実は日本にあるほぼ全てのマニュアル車に搭載されているという同社のバネ。面白いところでは美容室のチェアーや洗濯バサミ、自転車のサドル部分にも使われているという。 「バネの世界は『こんなところにも!』という驚きの広さです。近年はWEB取引にも力を入れており、新規のご注文は10%にもなりました。製鉄会社や大手電力機器メーカー、皆さんがご存知の有名な劇団からも引き合いがありますよ」 と笑顔で話す吉村社長。 この穏やかで優しいリーダーの情熱をエンジンに同社の躍進は今後も続いていくことだろう。【会社データ】本社=大阪府東大阪市西堤本通西1-3-43☎=06-6789-5531設立=1950年10月資本金=1250万円事業内容=スプリング類の製造並びに加工販売http://www.fusehatsu.co.jp
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