鉄道検修設備で大手の信頼を獲得挑戦を続ける老舗省力機械メーカー
早川 芳行 社長 我々が普段利用している電車は、故障した際の修理だけでなく、安全のために定期的な点検・整備が行われているのをご存じだろうか。そうした検査・修理の際に、車体を台車から切り離し、その上で作業を行うために乗せる設備が「仮台車」である。 この「仮台車」などの機械設備をメーンに、鉄道会社各社と長年の信頼関係を築いている株式会社早川製作所は、創業から60年以上の歴史を持つメーカーだ。
「長年培った技術力はもちろん、少数精鋭で小回りの利く対応に評価を頂いています。『こういうものを作りたい』というご相談から図面を起こし、納品まで一貫して行っているため、コスト・納期の面でメリットを感じて頂いています」 と、早川芳行社長は語る。 1953年、東京都板橋区で光学機械部品の加工から始まった同社は、61年に油圧式シリンダーの製作を開始した。時は高度経済成長期。仕事の依頼も多く、企業規模は拡大していった。さらにシリンダーの製造技術をもとに、74年には鉄道検修設備へと参入した。「参入当時は競合する同業他社も少なく、電鉄各社から需要がありました。その信頼を現在まで育み、30年以上付き合いが続いている取引先もあります。ほとんどの製品がクライアントごとのオーダーメードですね」(早川社長) 大学を卒業後、住宅の建売を営む企業を経て同社に入社した早川社長。工場での現場仕事や営業を経験する傍ら、社内の大きなプロジェクトも牽引してきた。 例えば、もう一つの拠点である長野県佐久市の小海工場の立ち上げを主導。地元へ帰る社員のために設立した小海工場は、現在では独自で自動車部品のサプライヤー向け治具の製造を行っており、会社全体の売上の25㌫を占める。新分野への進出に熱意志高く次の世代へ―― 2000年に代表取締役に就任、13年には本社を板橋区から埼玉県川口市へ移転した。現在は新分野への進出に意欲を見せる。「就任後は実力に基づいた評価を徹底し、より風通しの良い社内風土の醸成に努めました。今後は、全社員が経営者の立場で考え・行動し、横のコミュニケーションを重視した自走式の組織を目指していきます」 と、語る早川社長は社員とのコミュニケーションも密に図っている。3カ月に一度は役職者と面談し、各部署の管理体制をチェック。定着率も高く、定年後の再雇用制度を導入するなど、生涯働ける環境が整う。 また、新たな業種の省力化機械にもチャレンジを始めており、製菓用機械、楽器の製造機械、製麺の製造ラインなど、長年培った技術が生きて、既に実績が出始めている。新規顧客の開拓は次期社長である子息の豪一氏が務めており、頼もしい限りだ。 今なお成長を続ける老舗企業は、志高く、新しい分野に挑戦を続けていた。【会社データ】本社=埼玉県川口市江戸袋1-3-8 宇奈月第6ビル1F☎=048-282-7550創業=1953年資本金=1000万円従業員数=30名事業内容=鉄道車両用検修設備、省力化機械、治具の製造・販売http://www.hayakawa-ss.jp
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