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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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oriharamiki design office(シリーズNo.1231)

レジャーホテル・飲食店で多数の実績
安らぎの空間を創る女性デザイナー集団


折原 美紀 社長

「デザインは人が創るもの。だからこそ人への想いや心、愛でデザインを満たし、満タンになった作品で人の心を動かしたい」
 こう話すのは、ホテルや飲食店、クリニックなどの設計で多数の実績を持つ株式会社oriharamiki design office折原美紀社長だ。
 スタッフは全員女性。オフィス内は整然としており、華やかで明るい空気が漂う。そんな同社が最も得意とするのが、レジャーホテルの空間デザイン。女性ならではの細やかな視点に基づいた、美しさと機能性を兼ね備えたデザインに定評がある。新築・リニューアルを問わず全国から依頼は絶えず、受賞入選歴も多い。


 折原社長は宮城県登米市出身。高校卒業後、振興相互銀行(現仙台銀行)に入行し、数年後に寿退社した。一女に恵まれるも後に離婚。銀行には戻らず、家族ぐるみで親交のあった友人の父が営む会計事務所で働いた。
「友人の父の勧めでインテリアコーディネーター講座に通い始めるうちに、娘のためにも、子育てを言い訳にせず自分の好きなことを仕事にしようと考えるようになりました。夢だった美大への進学は、後年、娘が代わりに果たしてくれました」
 能力を見込まれ、講座の主宰者が代表を務める会社に勤務することになった折原社長。しかし代表の急逝に伴い事務所が解散。設計施工を手掛ける取引先のデザイン事務所に移った。当時は登米~仙台を片道2時間毎日車で通勤し、経理もこなしながら寝る間も惜しんでデザインの勉強に没頭した。

「戦友」であるスタッフ達が
安心して活躍できる場を

 しかし、今度はバブル崩壊の影響で勤務先が倒産。独立を決意した折原社長は、デザイン事務所アートフォルムを開設し、その後パートナー2名とともに法人を立ち上げた。その時に経験を積んだのが、レジャーホテルのデザインだった。
「当時のパートナーと小さなモーテルの改装実績を重ね、徐々に物件数を増やしていきました。デザイン+ソフト力の強化に丁寧に取り組み、『流行るホテル創り』を必死に模索しました」
 やがて東京事務所の代表として単身上京。右も左もわからぬまま営業活動をしては図面を引く日々を過ごした。そして2011年に再び独立し、現事務所を開設した。
「ソフト力を強化し、我々女性の力でトータルに商業施設をプロデュースしたいです。コンセプト立案からロゴデザイン、店舗デザイニング、広告に至るまでお任せ頂けるようになるのが目標です」
 今年11月、個人事務所から法人改組した同社。その意図は、「戦友」であるスタッフ達が企業内独立も含めていつまでも安心して働ける場を作るためだという。自身も流転のデザイナー人生を歩んできたからこそ仲間への想いは誰よりも強い。その〝母性が、安らぎに満ちたデザインを生む根源になっているようだ。   

【会社データ】
本社=東京都港区港南4―1―10 リバージュ品川704
☎=03―6451―4568
設立=2011年4月
事業内容=ホテル・飲食店などの空間デザイン・プロデュース及び広告代理業
http://www.oriharamikidesign.com

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