「一勢攻守縁」を理念に生鮮・冷凍食品を全国配送
「輪島屋に任せれば安心」の言葉を励みに35周年
山形 久之 社長
「明治21年、7代前の先祖が大志を抱いて北前船で能登半島の突端の輪島から北海道を目指して出航し、最初に寄港した内浦の和倉の地で、『何も北海道まで行かなくとも、和倉で充分に暮らしは立てられる』と説得する人に出会い、その縁で和倉に留まり食品納入業者を始めたのが、偽らざる私のルーツです」
と、自身の先祖を自嘲気味に話すのは、38歳の時トラック1台で創業し、会社設立35周年を迎える現在では、自社保有車両のみで1日3500㌧余りの生鮮貨物輸送能力を有するまでに成長した輪島屋鮮冷株式会社を率いる創業者、今年75歳になる山形久之社長だ。
高速フェリーを駆使した
「迅速・確実」配送が強み
創業以来同社が得意とするのは、生鮮野菜や生鮮冷凍魚介類、水産冷凍加工食品などの専門輸送。北海道各地の農産物・水産物を各港より高速フェリーで直結し、「迅速・確実」に関東・関西・九州など全国をカバーするコールドチェーン配送網には「輪島屋に任せれば安心」という定評がある。
苫小牧の車両基地には多数のヘッド・トレーラーを配備し、大量一括輸送にも対応。二大消費地の「東京~大阪間」には定期便を設け、大型需要に応えると共に、各拠点までの集荷・配送など多種・多様なニーズにも、最適な運送プログラムを構築して応えている。
生鮮食品輸送には、短時間輸送と高度な鮮度保持技術が求められるが、同社では高速フェリーによるコンテナ長距離輸送とトレーラー輸送の組み合わせをいち早く導入し、2つの課題を見事にクリア。また、荷物の積み替え時間を短縮する独自のトレーラー開発にも精力的に取り組んでおり、中国・青島のトレーラーメーカーに、庫内にレールを敷いたオリジナルトレーラーの製造を依頼。積み下ろし作業の省力化も達成して、「新鮮な食品を新鮮なまま届ける」万全な輸送システムを確立している。
一方で、高度化・多様化する顧客ニーズに応えるため、予約・受注から配送指示・運行日報の発行、輸送温度管理まで、全ての行程にITを導入し、正確・スピーディに管理。時代が求めるトータルコストの削減やCO2排出削減、エコ輸送にも対応している。
自社保有車両による生鮮貨物輸送だけでも1日3500㌧の輸送能力を持つ同社は、事業協力社を含めれば1日5000㌧以上の大量輸送能力を誇る。その能力を買われて、昨年には鹿児島経済連との連携で、鹿児島産ジャガイモの24㌧×270台の大量輸送を引き受けた実績も持つ同社。
北海道内のJAとの連携も緊密で、生産者の営農活動を支えるJAとの協働で、全国の消費地・消費者に安心・安全な北海道産農畜産物を届ける同社の取り組みは、北海道経済の安定にも大きく貢献している。
人との「縁」を大切に
産地と消費者をつなぐ
人との縁で石川県七尾市和倉の地に根付いた一族を先祖に持つ山形社長は、
「『縁に出会い』『縁を育み』『縁を活かす』ことを事業運営の励みにしています。全ての荷主様・お客様の期待に応え、サポートする過程にこそ当社の進化・成長がある。今後も『共存・共栄』のパートナーであり続けるために、進化するロジスティクスを追求します」
と、2020年に向けた意気込みを語っている。
「一勢攻守縁(いっせいこうしゅえん)」を理念とする同社。その意味する所は、
「運送業務という一点に絞り、勢いに乗りつつ攻守のバランス(積極的な営業、与信管理や受発注原則、売り買い)を取りながら、人との縁を何よりも大切にして、熱き心で立ち向かい、挑戦し、勝利する。」
ということに尽きる。
毎年8月には、故郷・和倉温泉の祭りに合わせて、日本を代表する有名高級旅館に、全国から生産者や荷主企業を招待し、盛大なパーティーを催すという同社。今年はオリンピックイヤーにちなんで、例年とは趣向を変えて230余名を招き、2カ所でのゴルフコンペの間に和倉温泉での大宴会を挟むイベントを計画中。
「他社の追随を許さない、アッと驚く催しにします」
と、山形社長は豪語する。
昨年末には、年の瀬まで本社事務の仕事が立て込んで、夜遅くまで残って責務を完遂した従業員の姿を見て、大枚の「お年玉」を奮発した人情厚い山形社長。「縁」を大切にする同社の伝統は今後も続く。
[会社データ]
本社=石川県金沢市神田1-18-10
℡076-242-1238
設立=1985年4月
資本金=1000万円
従業員数=94名
売上高=59億円
事業内容=生鮮食料品、冷凍食品及び関連商品などの一般貨物自動車運送事業・貨物利用運送事業等
http://wajimaya.co.jp
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