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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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丸全昭和運輸 株式会社(第69回)

横浜から世界へ独自の物流サービスを提供
売上高1000億円突破を目指す総合物流企業


 
浅井 俊之社長

 太平洋ベルトの中核を担い、日本最大級の工業生産額を誇る京浜工業地帯。その中心となる横浜の地で1931年、丸全昭和運輸株式会社の前身である丸全昭和組が旗揚げした。同社創業者である中村全宏氏によって、横浜港のはしけ作業とメーカーの工場建設資材、原料、製品の荷造り・運搬を生業としたのが始まりだ。
 以来84年間、創業精神である〝熱と努力をもって東証一部に上場し、全国でトップクラスの売上高を誇る「総合物流企業」にまで発展している。



「創業当時から徹底している、納期や期日は厳守するという〝現場力が評価されたと自負しています」
 と語るのは、2012年に6代目社長に就任した浅井俊之社長だ。浅井社長は愛知大学を卒業後、同社初の試みであった全国規模の新卒採用の第1期生として1968年に入社。中部支店に配属され、倉庫業や構内作業などを長年経験した「現場のプロ」でもある。
 そんな同社が現在事業の柱として推進しているのが、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業だ。これは、荷主側の物流請負のみならず、物流コストの削減や、高品質な物流サービスの提供を一括して担うシステム。さらに同社は顧客の貨物情報をWEB上にてリアルタイムで公開する独自の付加価値をつけて提供している。
 これに伴い、メーカーの物流子会社へのM&Aも実施。元来素材メーカーとの取引が中心であったが、時代のニーズを先取りし消費材や医療品の取り扱いも開始。またネット販売や高齢者への物流など、時代の変化にも迅速に対応している。
 さらに、顧客の海外への生産拠点の展開にも対応。現在、北米、欧州、アジアの9か国に27の拠点を置き、来年の1月にはマレーシアに新たにグループ会社を設立する予定だ。
 国内外のネットワークと対応力で盤石な体制を築き上げた同社。これに留まらず、10年後の同社のあるべき姿について経営者目線で社員研鑚を積むべく、2年前に浅井社長が座長となり「MJ―Board Meeting」という社員勉強会を設立。受講者は毎年10名という少数精鋭で、今年は異なる年齢層から募集。月1回金曜日の午後3時から3時間にわたり開催される。
「月に1度の会合には私も参加し、意見交換を行います。また年に1度『社長診断会』と称して、2か月間各部門や子会社の期の目標の成果を診断するなどコミュニケーションの場を多く設けるよう努めています」
 と浅井社長は語る。
 日々の変化に対応し、グローバルに活躍できる人材を積極採用している同社。今年は40名採用予定であり、女性の登用も実施。売上高1000億円超達成を目指し、物流業界をリードし続ける同社の今後の活躍から目が離せない。

【会社データ(問い合わせ先)】
本社=神奈川県横浜市中区南仲通2―15
☎=045―671―5713
事業所数=161
グループ会社数=46社
設立=1931年8月
資本金=91億円
売上高=946億円
社員数=3500名
事業内容=海運・陸運・航空・通関・倉庫等の総合物流
http://www.maruzenshowa.co.jp

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