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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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山一情報システム(シリーズNo.1412)

システム構築のエキスパートとして半世紀
時代の変化に寄り添って挑戦続けるIT企業


太田 和紀 社長

「スマートフォンなどの最新機器の他、洗濯機などの家電、カーナビにも我々が開発したシステムが組み込まれています」
 と話すのは、株式会社山一情報システム太田和紀社長。独立系のシステム開発企業として、一昨年で設立50周年を迎えた。
 1966年の創業時は㈱山一計算として、大型コンピューターによる電子計算を主要業務に業容を拡大。しかし80年代以後、パソコンの登場と急速な普及で、情報技術を取り巻く環境は大きく変化していった。同社も、ソフトウェア開発部門を設けて採用を開始するなど対応を強化。その一期生として入社したのが、太田社長の世代だという。


 太田社長は当時富士通が運営していた専門学校でプログラミングを学んだ後、同社に入社。主要顧客である㈱日立製作所に常駐して大型汎用システムの開発を担い、技術を磨いていった。
 その後業績の伸長に伴い、本社を東京都港区から横浜に移し、金融機関などにも受注基盤を築く。バブル崩壊後は時代の潮流に先駆けて、家電メーカー向け組み込みシステム開発に参入。2000年初頭にはその事業が大きく実り、組み込みシステム開発に特化して事業を展開。同時に、開発以外ではインターネットの普及に伴いITインフラの構築サービスに着手し、現在では同社の2本柱へと成長している。
 08年頃からはWeb系システムの開発、近年ではスマートフォン/タブレット関連や自動車の自動運転など、その時々のトレンドにキャッチアップして先端技術を磨き、発展を遂げてきた。

決意も新たに本社移転
若手技術者を積極育成

「こうした柔軟な対応と、新たな分野へのチャレンジ精神があったからこそ、バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックという幾多の経済の荒波を乗り越えることが出来たと自負しています」(太田社長)
 昨年、再度本社を東京神田に移転、決意も新たに再出発を果たした。太田社長も16年10月の就任以後、既存業務の充実を図るとともに更なる新分野への挑戦を表明。併せて社員満足度の向上にも配慮するという。
 例えば、福利厚生の充実や、有休消化率の向上、残業削減などを推進し、働きやすい環境を整備。エンジニア不足が叫ばれる業界での差別化を図り、若手技術者の育成と、業容の多様化を進めていきたい方針だ。実際、毎年20名前後を採用、若手社員が切磋琢磨し、多方面の技術を磨いている。
「自分の携わった製品が実際に動き、販売されている様子を見られるのが、この仕事の何よりの魅力です。また、多様な業種と取引があり、開発・インフラ構築から運用まで社員個々の適性に応じて『やりたいことができる』体制が整っています」(太田社長) 
 今後IoT、ロボット分野にも挑戦していく構えの同社から目が離せない。

【会社データ】
本社=東京都千代田区神田多町2―1 神田進興ビル
☎=03―3526―2631設立=1966年3月
資本金=3000万円
従業員数=250名
事業内容=ソフトウェア開発・インフラ構築・運用サービス等
http://www.yamaichi-inf.co.jp

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