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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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フィガロ技研(シリーズNo.1580)

ガスセンサのリーディングカンパニーとして
世界に安全・安心・快適を


天本 太郎 社長

 フィガロ技研株式会社―この一度聞けば忘れられない社名の由来が、ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」であることは、オペラ好きでなくともピンとくる。
「主人公『何でも屋のフィガロ』のように、バイタリティとチャレンジ精神をもった会社でありたいという思いが込められています」と話す天本太郎社長
 快適な暮らしをしていく上で欠かせないライフラインであるガス。だが、一歩間違えれば、私たちを襲う悲劇になりかねない。
 1962年、プロパンガス爆発事故の悲劇を知り、「ガス漏れ警報器」の必要性を痛感した創業者の田口尚義氏が半導体ガスセンサの開発に着手し、世界に先駆けて製品化に成功。そのことが現在の家庭用ガス漏れ警報器の普及に繋がっている。
 1990年代には、画期的な生産方式を確立。均一かつ多数個取りが可能な厚膜印刷の技術を駆使した製造技術の導入で、〝大量生産〟と〝品質向上〟という二つの課題を克服した。


 「これまで累計3億個以上のガスセンサを世界に供給してきました。独自の製造設備を導入し、月産200万個の供給能力を誇ります」(天本社長)
 実はガスセンサはガス漏れ警報器の他にも、私たちの身の回りに驚くほど存在している。空気清浄機やエアコンをはじめ、自動車、燃料電池システムなど枚挙に暇がない。
 また、米国市場では、空調・給湯にボイラーが使われている関係で、一酸化炭素検知が主流だという。米国で設置されている一酸化炭素警報器の内、半分近くに同社製センサが使われているというから、その高い信頼性がうかがい知れる。

充実した教育体制で
世界で通用する人材を育成

 天本社長は、九州大学大学院修了後、1986年に入社、96年から14年にわたりフィガロUSAで研鑽を積んだ。そして2010年に帰国、同社社長に就任し現在に至る。
 そんな天本社長が今求めているのが、世界規模で活躍できる技術者だ。
 1980年に米国・シカゴに事務所を開設したのを皮切りに、ヨーロッパには販売とサポートを担う有力代理店網を敷き、さらに中国・天津、上海に工場を建設、北米・欧州・アジア・中近東など同社の海外売上比率は7割に迫る。
 語学学習はもちろんのこと、MBA取得援助、OJT並びに外部コンサルタントによる複合研修など、人材育成のための強力なバックアップ体制を整える同社。
 「自由闊達な社内風土ですので、ガッツと意欲さえあれば大丈夫ですよ」と天本社長は笑顔で話す。
 来年には設立50周年という節目の年を迎える。今後はさらにセンサの品ぞろえを増やしていくことで、未開拓の市場にも積極的にアプローチしていくという。そして今日も世界のどこかからこんな声が聞こえてくる。「そうだ、フィガロに訊いてみよう!」   

【会社データ】
本社=大阪府箕面市船場西1―5―11
☎️=072―728―2560
資本金=9900万円
従業員数=190名
事業内容=ガスセンサの研究開発および製造販売、ガスセンサの応用商品の開発および製造販売
http://www.figaro.co.jp

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