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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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テックメイク(シリーズNo.1584)

モノづくりの省人化をワンストップでサポート
〝新しい〟を極めるシステムインテグレーター


桑原 伸一郎 社長

 
 労働人口の減少を補う産業用ロボットの普及に期待が集まる中、ロボット装置の設計から組立・販売・アフターメンテナンスまでをワンストップで担う「システムインテグレーター」として製造現場の省力化に貢献しているのが株式会社テックメイクだ。

「従来は自動車の溶接や塗装といった、いわゆる『3K』の仕事を人間の代わりに行うロボットが主流でしたが、当社が提供しているのは〝完全に人の代わりになる〟ロボット。半導体製造やクリーンルームなど、全く文化が異なるモノづくりの現場で活躍しています」
 と話す桑原伸一郎社長は「社員1号」として同社に入社する以前、エンジニアとしてソフトウェア開発会社に勤務。半導体組立メーカーを脱サラして同社を創業した父君とのタッグが強みとなり、ハードとソフト双方に高いレベルの設計力が必要な、「システムインテグレーター」という唯一無二のポジションを確立した。
 1995年に半導体製造装置のカスタマイズ設計からスタートした同社。2000年代に入り、日本のモノづくりにもFA化の流れが加速する中で、半導体業界向けに垂直多関節ロボットを使うロボットセル生産ラインの製作を開始した。


 以降、ロボットの実用化が進んでいなかった半導体業界で圧倒的支持を受け、ロボットメーカーからの引き合いを一手に集めてきた同社だが、リーマン・ショックで苦境に立たされる。
「当時は大手半導体メーカー1社に依存し、1年間設備投資が凍結された時は会社を畳むことも頭をよぎりました。しかし、社員一丸で乗り切り、人員と事業領域を増やす方針へと転換したことが業績の回復と向上に繋がりました」(桑原社長)
 現在、従来の半導体製造装置に産業機械、自動車(EV)部品を加えた3本柱を確立し、安定した経営基盤を築き上げている同社。半導体工場への豊富な納入実績を元に、家電などの弱電メーカー、化粧品・医薬品・食料品の「三品産業」への導入も急速に伸ばしている。

先駆者であり続けるため
最終工程の無人化に挑む

「出来る限りメカを作らず、アプリケーションを駆使して多品種小ロットのモノづくりをサポートできることが当社の特徴。新しい省力化装置が出てくればロボットだけにこだわりません」
 と話す桑原社長。自ら市場を開拓した「システムインテグレーター」としてのブランド力を強化し、人材の採用と装置の「構想」を担える人材の育成に力を入れる。
「新しいことに興味がある若者や、お客様を含めて周囲を巻き込む能力が高い人を求めています」(桑原社長)
 また、「常に3年先の仕事を考える」と話す桑原社長が、自社の使命として取り組みたいと考えているのは、顧客ニーズの細分化によって無人化が困難と言われる生産ラインの最終工程を無人化する装置だという。

【会社データ】
本社=東京都武蔵村山市残堀1―95
☎=042―560―4885
設立=1995年5月

従業員数=65名
売上高=12億円
事業内容=自動機全般・ロボットセル生産ラインシステム・多関節ロボット汎用ハンド・汎用フィーダ・汎用3次元測定機・各種検査装置の設計・製作
http://www.tech-m.co.jp

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