航空宇宙産業にも参入を果たした難加工を得意とする金属加工会社
角田 城治 社長
「人の意識を本気で変えようと思ったら10年はかかります。腹をくくって取り組むしかありません」―株式会社城洋・角田城治社長の言葉だ。 同社は1965年に機械部品加工業を生業に父・角田豊氏が創業。67年には神戸製鋼所の協力工場となり業務を拡大したのだが、その後は必ずしも順風満帆とはいかなかった。急激な円高のあおりを受け受注は激減、リストラを余儀なくされたのだ。 当時は一社員であった角田社長は立て直しの過程で自社の強みを再確認するため改めて現場を見て回った。「他社では真似できない難しい加工なのに安値で引き受けている。もっと付加価値を付けて売り込めるはず」と考え、大手重工・機械メーカーを中心に難加工の仕事を次々と取ってきた。だが、現場の職人が動かない。豊氏の言うことしか聞かないのだ。さらに作業工程の効率化を提唱することへの反発も加わっていた。
冒頭の言葉はこの時の偽らざる気持ちである。 しかし見ている人は必ずいるものだ。社内外から角田社長の考え方や取り組みを評価する声が日増しに高まっていった。そうなると状況は一変する。 豊かな発想力と高度な加工技術を武器にソリューション型営業を強化、従来の下請け工場ではなくパートナー企業として顧客と共に成長していく事業を一つひとつ立ち上げていった。兵庫県立大学との共同研究や特許取得技術の開発、01年には加工の難易度が非常に高い高耐食耐摩耗の射出成型機用HIP複合シリンダー事業に参入し、今ではメーカーとして国内外に供給実績を積み重ねている。AIやIoTをフル活用した最新鋭工場が来春稼働予定 そして次世代に向けた新たな挑戦として「航空宇宙産業」にも事業を拡大。15年には航空宇宙品質マネジメントシステムの認証を取得し、コンピューター制御で金属の加工を自動で行うマシニングセンターを自社工場に導入した。 さらに同社は19年春の稼働を目指し、50億円を投じて鳥取県の工業団地に新工場を建設予定だ。 「AIやIoTを駆使した設備を導入し、将来的には週休3日制を実現したいと本気で考えています。もちろん給料は減らさず、残業もゼロです。モデルケースになりうる最先端の工場、それが鳥取の新工場です」 クールな現代型のトップに思える角田社長であるが、実は全くそうではない。創業50周年時には派手な記念式典を行わず、そのぶん社員に還元することを決意。一例を挙げると、温かいご飯をしっかり食べてほしいと願い、全従業員を対象に食堂の昼ご飯を無料にしたのだ。しかも一生分を。 角田社長が最も大切にしている言葉は『感謝』。辛い時期に多くの人に支えてもらったことをひと時も忘れたことはない。そんな強く、心優しきリーダーに導かれ、太陽光発電事業やエンジニアリング事業にも裾野を広げながら、同社は今まさに飛躍の時を迎えようとしている。 【会社データ】本社=兵庫県姫路市白浜町宇佐崎南1―68―1 ☎️=079―245―0598資本金=3600万円従業員数=65名事業内容=機械部品の製造http://www.jys-joyo.co.jp
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