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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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東京冷機工業 (シリーズNo.1548)

快適な空気と人を創る空調設備のプロ集団
「ありがとう」で、できている会社

 

吉田 丈太朗 社長

 1956年、大手空調メーカーのダイキン工業㈱が関東圏に進出した際のメンテナンス業務の請負に伴って設立。60年超の技術と実績を蓄積しながら、空調設備の設計・施工をワンストップで対応する関東随一のサービスステーションネットワーク体制を持つ有力企業に成長を遂げた。

「当社は元々、エアコンの修理業務からスタートした会社。日頃から、お客様と直接お話ができる機会に恵まれたことがとても大きい。技術力だけでなく、コミュニケーションを通じて生まれるお客様との信頼関係こそが仕事のベースです」
 と語るのは東京冷機工業株式会社の6代目の吉田丈太朗社長。顧客との直接取引が大半を占める同社には、「サービスマン」の気質が社員一人ひとりに自ずと芽生え、全社に深く浸透している。創業から貫く「儲けすぎてはいけない」という考え方は、同社の象徴だ。


「当社は真面目な社員が本当に多く、『お客様が喜んでくれるのだから』と、私が想定する以上のことをやってくれます」(吉田社長)

電器とガスの双方に精通
IoT時代に先駆ける稀有な存在

 ダイキン工業㈱の空調機製品の2017年度 「全国仕入高第1位」となり表彰された同社。空調設備の熱源である電気とガスの両方を得意とし、特にガスを取り扱える企業は業界でも数少ない中、東京ガス㈱が管轄する東京西部の空調設備の管理を委託され、その実績は10年以上に及ぶ。顧客の環境・インフラに合わせた最適提案と、設計・施工からメンテナンスまで対応できる独立系企業は極めて稀な存在。16年には日刊工業新聞社主催「第19回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」優秀賞を受賞した。
「空調設備は人間の体でいうと血管の部分。外からは見えませんが、極めて重要」
 と話す吉田社長が就任後に変えたことの一つは、全社員の勤務時間を「分単位」で管理するというもの。仕事の進め方に数値的なメリハリをもたらすことを目的として導入した。最新のモバイルシステムを取り入れたのも、業界で初だという。
 埼玉県川口市の研修センターは数十種類の様々な設備を揃えた「体験型」研修施設。社員の技術普遍と後進の指導育成のための「マイスター認定試験」を行うなど、空調設備のプロの育成に活用されている。
 大手企業を中心に6000社以上の設備に関わり、業界でも大きな存在感を放つ同社。3年以内に退職する社員が極めて少なく、この定着率の高さからも、社員にとって働きやすい環境が整っていることが窺える。
「良い会社とは、社員が知り合いや家族を紹介できる会社。経営者としてお客様と社員の『共栄』を願うことを大切にしています」
 と語る吉田社長。16年に設立60周年を迎えたことを機に、分社化していた3つの子会社を統合合併し、500名体制となった同社は100年企業に向け、新しい人材を待っている。   

【会社データ】
本社所在地=東京都文京区本駒込6―24―5
☎️=03―3943―5551
設立=1956年3月
資本金=3億円
社員数=491名
売上高=175億円(17年度見込)
事業内容=空調設備・冷熱設備・給排水衛生設備・省エネシステムの設計、施工、メンテナンス
http://www.to-rei.jp

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