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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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リョーシン(シリーズNo.1666)

画期的なAI選別ロボットで人手不足を解消
継続可能な高度循環型社会を創造する



高野治社長


3000㍍級の山々が連なる立山連峰。その雄大なる眺望は見る者の心を強く打つ。そんな美しい富山市に本社を構える株式会社リョーシンは、「継続可能な高度循環型社会の創造」を使命とするリサイクルプラントメーカーだ。
同社は2001年12月、三菱商事連結会社・菱神産業の環境事業部を発展的に分離独立し設立された。
 「リサイクルを徹底しないと資源が枯渇し社会が破綻するのではないかと強い危機感がありました。それが破砕機、選別機を中心とした環境関連機器を専門的に扱う当社を立ち上げた理由です」と話す高野治社長



 2019年2月時点で世界の人口は75億2565万人であるが、2050年には96億人に達すると推測されている。人口増加と生活水準の向上に伴い、とんでもない量の廃棄物が発生することは想像に難くない。まさに高野社長が言うように「リサイクルなくして地球環境は守れない」待ったなしの状況である。

優れた海外製機器を導入し
設計からメンテまで担う


 わが国が一流の工業先進国であることは言うまでもないが、実は、ことリサイクル分野においてはかなり遅れているのが現状だ。そこで同社では、世界最先端の機器を積極的に導入し、オンリーワンのリサイクルプラントを構築している。
 海外メーカーとの提携は米国5社をはじめ、オーストリア、イタリア、オランダなど10社にのぼる。その中から顧客の要望に応えるべく最適解を提案するのだが、足らない機器に関しては自社でも製造するという。
 そして今年3月、満を持して新開発の『リョーシンAI選別ロボット』販売に乗り出すこととなった。
 「従来は人の手で行われていた廃棄物の選別工程を自動化します。極めて優秀なAI研究開発企業であり、31歳の若き天才・マターニャ社長率いる米国AMP社との共同開発で画期的なシステムが完成しました」 
 最大の特徴は、AIを搭載したヴィジョンシステムが瞬時に材料の組成・形状を認識し、その情報をもとに効率的に材料を選別すること。さらに、AIが材料情報を蓄積するので識別精度を日々高められる利点も。24時間連続稼働を実現し、同一ラインのその他選別装置を同じく24時間稼働させられるため、最小限の設備で大量処理が可能になる。
 「重量物用の強力グリッパーを『AI Benkei』、軽量物用の2基の吸引式グリッパーを『AI Musashi』と名付けました。世界に打って出るにはなかなかいい名前ですよね」と笑顔をのぞかせる高野社長。
 一昨年、同社の構想が日経新聞に取り上げられた際、「人手不足解消の切り札になる」と製品化前にもかかわらず問い合わせが殺到したという。期待を一身に背負うAI選別ロボットの船出、即ちそれは、高度循環型社会実現への大いなる一歩といえるだろう。


【会社データ】
本社=富山県富山市婦中町地角600―1
TEL=076―465―6050
資本金=5000万円
事業内容=環境関連機器の輸入・販売・設計・製造・設置・メンテナンス等
http://www.ryohshin.co.jp

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