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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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カーブ かない屋(シリーズNo.1436)

感動と出会える至極の自然派ワインを直輸入
生産者の情熱を届ける「マキコレ・ワイン」


金井 強 社長


 本物を知る人から選ばれ続けるワインがある。ごまかしのないピュアな味と香り、そして、生産者の情熱が凝縮された「マキコレ・ワイン」だ。
「自分に合うワインと出会った時の〝感動〟は他のお酒では味わえません。生産者が販売目的ではなく自分で飲むために造った究極のワインだけを選んでいます」
 と話すのは、群馬県桐生市で「カーブ かない屋」を営む株式会社金井屋金井強社長。今から130年前に祖父君が青果店として創業し、父君の代から酒屋に転じた同社の3代目社長として、30年程前にワインの直輸入販売を開始した。

 きっかけになったのは、ブランド名の由来でもある息女・麻紀子氏のフランス留学。芸術を学ぶために渡仏したものの、周囲にはワイン関係者ばかり。そのため自然とワイン造りを手伝うようになり、ワインが持つ奥深い魅力にどんどん引き込まれていったという。
 その後、ボーヌの国立農業専門学校でワインの生産から販売までを学び、日本人で唯一、同校の醸造責任者の資格を取得した麻紀子氏。10余年に及ぶ在住中に多くの優れた生産者と出会い、その中から繊細な日本人の味覚で選んだ日本の食文化に合うワインを「麻紀子コレクション(通称マキコレ)」として紹介している。
日本の酒類市場には『ワインは勉強しないと買えない・飲めない』という高いハードルがあります。しかし、消費者にとってお酒は美味しく、楽しく飲むもの。細かく説明しなくても安心して選んで頂くために、『マキコレ・ワイン』を商品ブランドとして確立しました」
 と話す金井社長が「日本に敵うワインはない」と胸を張る「マキコレ・ワイン」は、どの商品も少量の酸化防止剤(SO2)以外の添加物を一切使用せず、ブドウの果実に含まれる糖分がアルコールに変化しただけの極めて純粋なワイン。畑の土壌作りから10年以上の歳月をかけ、採算を度外視してワイン作りに取り組む生産者の思いがダイレクトに消費者に届き、口コミでファンを増やしているのだ。

各県に一軒の限定販売
取扱店と共に生き残る

「生活を犠牲にしてまでワインに情熱を注ぐ生産者の思いを伝えることが私たちの義務。売り手にも、その思いを理解し、感動を伝えることが求められます」
 と語る金井社長は「限定流通」のスタイルを貫き、取扱店は原則として‟各県に一軒だけ”と決めている。インターネットでの販売も禁止だ。
「インターネット上では日本の市場が一つになり、消費者は価格だけで選んだワインをワンクリックで買うことができます。そうなれば当然、輸入元である当社が有利になってしまう。取扱店の方々を守り、一緒に生き残っていくことが私の一番の喜びです」(金井社長)
 大手メーカーが集客力の高いスーパーやコンビニへと販路を移行する日本の酒類業界。地域密着の酒屋を取り巻く環境は厳しさを増す一方だが、金井社長は「本物は残る」と断言する。

【会社データ】
本社=群馬県桐生市堤町3-9-10
☎=0277-22-0737
創業=1887年5月

資本金=1000万円
事業内容=酒類の小売業及び果実酒卸業
http://www.cave-kanaiya.co.jp

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