設立50周年迎えた若狭塗箸のトップブランド
販売店の信頼を集める安定の「イシダ基準」
石田 茂樹 社長
福井県小浜市の伝統工芸品「若狭塗」の中でも国内シェアで80㌫以上を占め、生産量7200万繕、売上高約100億円(「箸のふるさと館WAKASA」推計)と言われる「塗箸」。地元の一大産業である若狭塗箸の市場でトップクラスのシェアを誇り、今年で設立50周年を迎えたのが株式会社イシダである。
「江戸時代から400年程の歴史を持つ『若狭塗』ですが、箸に特化し、普段使いの商品を作り始めたのは昭和の戦後あたり。木地の供給から製造、販売まで、携わる各社が共存共栄して産業を支えています」
と話す石田茂樹社長。「設立当初は業界の中でも弱小だった」と振り返る同社がトップランナーにまで成長した要因は、分業制が主流の中で先代が製造と販売を一貫して担い、いち早く「機械化」を進めたことだと言う。
「ロットは大きくなりますが、生産を機械化することで品質が安定し、作業効率も飛躍的に高めることができるのです」
と石田社長が話すように、品質にバラツキがなく生産性の高い「イシダ基準」の塗箸はスーパーやホームセンターなど量販店のニーズに合致し、多くのPB商品にも採用されている。コンプライアンス遵守を徹底する品質管理体制も高く評価され、同社は現在、量販店を運営する上場企業の半数以上と取引している。
匠の想い重ねる「一双」
箸文化を欧米にも発信
その一方で、丁寧に何層も漆を塗り重ね、匠が想いを込めて作る「一双」シリーズを2008年に立ち上げた。百貨店や箸専門店をターゲットにしたハイエンドブランドとして、敢えて〝非効率〟に挑んでいる。
2012年にはベトナムで子会社を設立し、木地工場を建設。新たな一貫体制を構築するだけでなく、東京と大阪に営業所を開設し、販売力の強化も図る。
「今までの『製造のイシダ』というイメージを『販売のイシダ』に変えるくらいの覚悟が必要。海外の展示会にも積極的に進出し、輸出のウエイトを上げていきたいですね」
と話す石田社長。箸を使う文化を持つ国でのシェア拡大に期待を込めるとともに、土産品として箸の需要が高い欧米のマーケットに対しても、趣向に合うデザインやサイズ、持ち方の普及方法などを研究し、「箸文化を定着させるような提案がしたい」と意気込む。
また、箸だけでなく、汁椀など他の漆器関連商品の販売も行っている同社。3年後を目途に漆器工場を開設し、テーブルウェアをトータルに提案できる会社として「大手」を目指していく。
祖父君が職人として塗箸の製造を始めて今年で100年。50年前に会社組織として同社を設立した父君の後を受け、07年に就任したことを「2代目という職業に就職した」と話す石田社長は、伝統と革新を担う3代目の育成にも力を注ぐ。
【会社データ】
本社=福井県小浜市水取2―2―35
☎=0770―53―0848
設立=1970年1月
資本金=3000万円
従業員数=72名
事業内容=若狭塗箸・竹塗箸・菜箸等の製造・販売
https://0848ishida.jp
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