「よい商品を、より安く」建設から暮らしまで人に優しい総合商社
小田桐 健藏 社長 明治政府の財政政策「松方デフレ」の影響で全国的に農民が困窮し負債で苦しんでいた1883年。旧津軽藩家老大道寺族之助繁禎は粗悪な農機具を高く購入していた農家に「よい商品を、より安く」提供したいと地域の15人の共同出資者を募り「弘前農具会社」を興した。これが株式会社角弘の創業の原点である。 現在は鉄鋼・建材の商社として東北5県に拠点を置くほか、ガソリンスタンド経営や化粧品・健康食品を販売。さらに建設からITまで9社のカクヒログループを構成し、年商700億円超の青森の一大企業集団としてその名を馳せている。「時代に即応した経営戦略で創業135周年を迎えました」(小田桐健藏社長) 小田桐社長は青森県平川市出身。津軽の藩校「稽古館」の流れをくむ東奥義塾中学・高校を経て法政大学に進学、卒業と同時に角弘に入社した。各部門を経験した後、2006年には代表取締役社長に就任。翌年、弘前大学、青森県を中心に開発を進めていたサケ鼻軟骨由来の機能性素材「プロテオグリカン」を抽出する「プロテオグリカン研究所」を青森市内に開設した。肌保湿に有効とされる「プロテオグリカン」は、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン酸と並ぶ健康素材で弘前大学が抽出技術を開発した当時はグラム3000万円ともいわれた。同社では、「プロテオグリカン」の量産化に成功し、化粧品・健康食品メーカーに供給するほか自社でも化粧品や食品などプロテオグリカン配合商品を製造・販売。地元局で流れるCMソングは振り付きで、耳にすると踊りだす子供もいるほどだ。
「プロテオグリカン配合商品は青森県内にある当社のガソリンスタンドでも販売しています」(小田桐社長) 16カ所あるガソリンスタンドは男女別のシャワー付きトイレを完備。角弘の〝小さな支店〟と位置付けて快適空間を心掛けている。 小田桐社長は年初に毎年のテーマを掲げる。今年のテーマは「体力強固」。「100年先、さらにその先まで生き抜く体力を持ちたい。そのためにも新規事業に挑戦する」(小田桐社長)「あどはだり」したくなる農作物を自社ブランド化 プロテオグリカン製造時に使用する食品用酢酸を主成分とする溶液を、映画「奇跡のりんご」で知られる木村秋則氏監修のもと、農業資材「カルリン」として商品化。トマトの糖度が上がった、野菜が食べやすくなったと評判もよく「あどはだり(津軽弁でおかわり)」と、また食べたくなる野菜になるとか。今後は地元農家と連携して「カルリン」を使った自社ブランドの農作物を栽培・販売する予定だ。 17年、地域に根差した取り組みが評価され、経済産業省より「地域未来牽引企業」に選ばれた。幾多の変化に柔軟に対応しながら地域経済の中核として青森経済界をリードする角弘の挑戦はまだまだ続く。 【会社データ】本社=青森市新町2―5―1☎=017―723―2222設立=1883年8月資本金=3億7800万円従業員数=330名事業内容=建設資材・土木資材・住宅建材・生活用品の販売、ガソリンスタンド業及び各種ガス・燃料の販売、保険代理店業、プロテオグリカン・カルリン製造販売http://www.kakuhiro.co.jp
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