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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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エクロール(シリーズNo.1555)

ゲルコート人工大理石の流し台及び洗面台を開発
マンション・学校・福祉施設などで採用広がる

ゲルコート人工大理石流し台

 普段見慣れている設備が技術とアイデアによって、建物や施設の付加価値へと変わる――。ゲルコート人工大理石の一体型シンク流し台やボウル一体洗面カウンターといった、他社には無いユニークな製品を提供し、自治体やゼネコン、設計事務所からの信頼を集めているのが株式会社エクロールだ。
「表面にゲルコートが施されたポリエステル系人工大理石は汚れにくく、耐衝撃と耐薬品性に優れ、錆びにくいという特性があります。料金もステンレス製とそれほど変わりません」
 と話す母袋博一社長。  
 高い機能性や清掃性、デザイン性を兼ね備える人工大理石を用いた同社の製品は豊富なカラーバリエーションが揃い、場所や用途によって色を変えられる。

 従来の四角型だけでなく、ユニークな円型の製品も開発したことで、多様なスペースに設置できる。創業当初は、マンションへの導入が主力だった同社の製品は近年、都内23区から東京市部、埼玉、千葉、神奈川、群馬などの学校へと普及。現在、50〜60年近い築年数の学校など、数多く着実に手掛けているという。


 また、シンク手前を浅くして膝が当たることを防ぐ洗面台は車椅子が入り易く、病院や介護施設、特別支援学校、公共施設などで重用されている。幼稚園や保育園では、大人用のシンクと並んで位置が低く奥行も小さい子供用を設置している。
 また、トイレの改修ニーズにも対応する同社。施工現場を見学した自治体担当者の口コミによって周辺地域へと導入が進んでいる。

何事にも「触れてみる」
関西地区へも展開

「人工大理石という素材ならではの加工の難しさに、最初は苦労しました」
 と話す母袋社長は32年前に創業。品質の高さに絶対の自信を持ち、合理的価格、短期間の製造で喜ばれることを信条に、「水回り商品を高い技術力で、より良い製品をより速く、より安く提供したい」と言う。
 自身の出身地の中学校や東日本大震災で大きな被害を受けた東北の小・中学校に製品を寄贈するなど、社会貢献にも力を注いでいる。
 母袋社長の地元、長野県上田市の子会社「シンエクロール」は生産・開発の役割を担うほか、東京の本社では、設計営業、ゼネコン営業、工事監理を行っているという。
 最近では、関西地区からの問い合わせも増え、近年に大阪に営業拠点を設ける予定。人材の確保にも積極的に取り組む同社は新卒採用に加え、今後は中途採用も考慮中だ。
「新卒でも文系・理系は関係なく、やる気さえあれば何でも出来ます。まずは興味を持ち、触れてみることが大事です」(母袋社長)
 市場の声を聞きながら、常に新商品の開発に挑戦し、将来は東南アジアなどへの進出も念頭に置いているという。
 社名の「エクロール」はフランス語で「卵から雛が孵る」「物が生まれる」という意味。同社は、新しいモノを生み出す挑戦をこれからも続けていく。 

【会社データ】
本社=東京都渋谷区千駄ヶ谷5―17―15 升川ビル301
☎=03―3226―6835設立=1986年8月
資本金=1000万円
売上高=3億4800万円
事業内容=流し台及び洗面台の設計、製造、販売、施工
http://www.eclore-ecnet.jp

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