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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

ナショナル・ベンディング(シリーズNo.1264)

日本仕込みのサービス精神を海外に!
自動販売機オペレーションのパイオニア


藤山 雄一郎 社長 

 日本
を訪れた外国人の大半が、その設置台数や豊富なバリエーションに驚きの声を上げる日本の自動販売機。戦後、アメリカから持ち込まれた自動販売機は日本特有の進化を遂げ、今や「文化」として定着している。
 実は、日本で初めてカップ式コーヒー自動販売機を国内で展開し、オペレーションを始めた企業こそがナショナル・ベンディング株式会社だ。


 同社のルーツは戦前に誕生した財閥、藤山コンツェルンにある。同財閥の創業者は佐賀藩出身で大日本精糖(現・大日本明治精糖)社長や貴族院議員などを務めた藤山雷太氏。その子息で二代目の藤山愛一郎氏も、外務大臣や日本商工会議所会頭、日本航空初代会長など政財界の要職を歴任した。
 1963年創業の同社も藤山一族が3代にわたり経営。現在、代表取締役を務めるのが雷太氏を曽祖父に持つ藤山雄一郎社長だ。
「創業当時から、当社は企業や工場の福利厚生の一翼を担うべく、職域における自動販売機の設置に特化してきました。そのため、当社の自動販売機のほとんどは路上でなく屋内で稼働しているのです」(藤山社長)
 日本でも、高度経済成長期に人件費が高騰したことで自動販売機のニーズが急速に拡大。時代の発展とともに同社も成長を続けてきた。現在では清涼飲料自動販売機だけにとどまらず、レギュラーコーヒーや乳飲料に食品を加えた〝フルラインオペレーターとして、職域ごとのニーズに応じた自動販売機を提案している。

「過度な効率化はしない」
社会の役に立つ人材を育成

 1976年にいち早くカップ式ホット&コールドコーヒー機の採用を決定し、本格的なアイスコーヒーの販売開始に着手するなど、自動販売機の新たなかたちを追求してきた同社。近年は飲料だけでなくパンやおにぎりなど食品自動販売機の普及にも注力している。
 他にも、大手コンビニエンスストアチェーンと業務提携し、24時間対応の自動販売機型無人コンビニも誕生。わざわざ店舗に行かずとも、気軽にコンビニの人気商品が手に入ると好評だ。現在、愛知県内を中心に導入が進んでいる。
「いつでもどこでも美味しい飲み物や食べ物を手にしてほしいからこそ、半世紀以上、自動販売機という販売形態にこだわってきました。当社の強みはきめ細かなサービス。サービスの質を維持するためにも、過度な効率化はしません。効率化を追求しすぎれば強みが失われ、最終的にお客様を無視することにつながる。顧客本位の姿勢こそがサービスの原点。これを忘れてはならないと肝に銘じています」(藤山社長)
 藤山社長が、国内15支店43営業所で活躍する従業員に向けて日々伝えているのが「社会のために役立つ人間になってほしい」という想い。社会人として不可欠な礼儀礼節・マナーなどの人材教育も徹底している。「素直」「前向き」「責任感」「礼節」「感謝・報恩」「向上心」「一生懸命」「元気な挨拶と笑顔の交流」という社会人としての基本を大切にした地道な教育こそが、顧客満足度の向上につながっている。

海外売上比率を高めるべく
アジア各国に進出

 幼少の頃から慶應義塾で学び、アメリカ留学を経て大手住宅設備機器メーカーに入社した藤山社長。経理部で6年間経験を積み、企業経営の基礎を学んだ。
 その後2000年に家業に入り、2011年3月末に代表取締役社長就任。社長として初めて取り組んだのが、東日本大震災で大きな被害を受けた福島支店への出張だった。
「当時、福島に拠点を有する企業の中には、原発事故の影響を考慮して福島から撤退するところも少なくありませんでした。経営者として私も判断に迫られていたのですが、そうした危機的状況でも現場の従業員達が自ら『頑張ります』と声を上げてくれたのです。食べ物や飲み物を届ける当社が業務を停止してしまえば、そこに住む大勢の方々が困ってしまう。『そうはさせまい』と、強い使命感を持った従業員達が集ってくれていることが、本当にうれしかったですね」
 と、藤山社長は当時を振り返る。被災者からの「ありがとう」という言葉が何よりも現場の従業員を突き動かすエネルギーとなった。
 先代の社長からは顧客を大切にする姿勢を引き継ぐとともに、社長に就任してから今日に至るまで一歩踏み込んで顧客が何を求めているかを探り、喜ばれるサービスを生み出すことを考え、実践し続けている藤山社長。常に意識しているのは顧客の〝笑顔だ。
 2012年に台湾に現地法人を設立し、海外進出も果たした同社。人材採用は現地で行い、雇用創出にも貢献している。現地法人の代表も兼務する藤山社長は次のように展望を話す。
「海外の売上比率を高めることが今後の課題です。少子高齢化・人口減少がますます進展する国内市場だけでは厳しい。台湾での経験も生かし、将来的なタイ・シンガポール進出も視野に入れています。日本仕込みのサービス精神を、海外にも広めていきたいですね」
 同社の自動販売機をアジア各国で目にする日は、そう遠くないだろう。

【会社データ】
本社=東京都港区芝4―10―3 住友生命三田ビル8F
☎=03―6459―4781
創業=1963年1月
資本金=1億5000万円
売上高=110億円
従業員数=520名
事業内容=自動販売機による飲料・食品雑貨等の販売、自動販売機の販売・賃貸ならびに修理
http://www.national-vending.jp

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