洗濯機用防水パン・排水トラップで独壇場世界を視野に5年後年商300億円目指す
木本 一也 社長
集合住宅の各戸に必ず設置してある洗濯機置き場の防水パン。誰もが目にしているはずだが、あまり意識することのない縁の下の力持ちのような設備だ。その防水パンで、首都圏の新築マンションのトップシェアを握っているのが、1988年1月の設立で今年30周年を迎えた株式会社テクノテックだ。 元々、㈱テクノアート美術研究所というデザイン会社として設立した同社は、バブル崩壊後の94年、現代表の木本一也社長就任と同時に現社名に変更。浮き沈みの激しいデザイン事業から、ニッチだが息の長い防水パンの製品開発という新分野に舵を切った。 そのきっかけは、当時主流だったFRP製の防水パンは寒冷地では重さに耐え切れず割れてしまうという、ある大手住宅メーカーの開発部長からの相談だった。 そこで木本社長は、再生ポリエチレンを使って従来品の弱点を克服し、なおかつコストを半減する製法を考案。製造法もプレス成型から量産の利く射出成型に移行することで瞬く間に防水パン市場を席巻。FRP製を製造していた住設メーカーの巻き返しもなく、各住宅メーカーやゼネコンからの受注が相次ぎ、国内トップシェアを獲得していく。
その間、使用する原料もABSや、ポリプロピレンへと進化させ、排水トラップや、より重量のあるドラム式洗濯機にも対応する防水パンも開発。その後も次々と新機軸を打ち出してきた同社は、現在では、特許21件を含め意匠・商標・実用新案等合計64件の知的財産権を取得している。 製品開発・特許取得・販売力強化に経営資源を集中させるため工場は持たず、国内6社、海外1社の協力工場を配置して、うなぎ上りの需要に応えている。 近年では、いずれも好評な新製品、キャスター付洗濯機置台「イージーキャスター」とトラップの脱着が容易な洗濯機用床排水トラップ「スライドロック」のセット販売を実施して国内の販路拡大を図るとともに、大手商社を通じて国内外の白物家電メーカーに、洗濯機とのセット販売を働きかけるなど、拡大を続ける中国やインド、ASEAN市場も視野に入れた取り組みを開始している。ドイツ・GRAF社と提携埋設型雨水貯留タンクも 今年84歳の木本社長の事業意欲は防水パンに留まらない。昨年1月、ミュンヘンでの展示会で雨水貯留・浸透槽の世界的企業・GRAF社と出会い、今年5月、埋設型雨水貯留タンクの国内展開の業務提携を締結。「イージーレインタンク」と命名し、自社販売の透水コンクリート「イージークリート」とのセット販売で「貯水」と「透水」の二刀流事業展開を構想中なのだ。「両事業の展開で、5年後年商300億円を目指す」 と、木本社長は意気軒高に夢を語っている。 【会社データ】本社=東京都文京区本郷3―6―6 本郷OGIビル3F☎=03―5800―4477設立=1988年1月資本金=5000万円売上高=12億円事業内容=防水パン・排水トラップ等の開発・販売http://www.technotech.co.jp
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