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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

サイチ工業(シリーズNo.1360)

世界トップクラスの真空蒸着技術
挑戦を続ける100年企業

山本 彰 社長

創業から108年を数えるサイチ工業株式会社は、真空蒸着技術で業界トップクラスの生産力を誇る。
 真空蒸着とは、チャンバー(真空炉)の中で、銀やアルミニウムなどの金属を加熱して蒸発させ、ポリエステルなどのフィルムに凝着させて金属膜を作る技術のこと。この技術を扱える企業は国内に数社しかなく、特に銀蒸着を行えるのは同社を入れて3社のみ。
 スナック菓子など食品包装用アルミ蒸着フィルムの製造、京都の西陣織に使用され伝統産業である金銀糸の製造、スマートフォンやタブレットの液晶の反射板や電磁波シールドなど電子機器材料の製造。この3本柱を軸に幅広く事業を展開している。


 同社の最大の強みは「フィルム3メートル幅・3チャンバー方式による連続蒸着技術」だ。
 蒸着のフィルム幅は技術的に2メートルが限界というのが一般的な常識であったが、「他社がやらない領域を目指そう」と、真空装置メーカーと1年以上の歳月を費やし、3メートル幅の加工ができるオーダーメイドの蒸着機を完成させた。
 また、一般的な処理方式は、ひとつのチャンバー内で工程を繰り返すため、非常に手間と時間がかかる。そこで同社では、チャンバーを蒸着室、原反室、アルミを補充する原料室の3部屋に分割し、蒸着室を常に真空にしておくことで連続加工を可能にした。 
 これら同社独自の技術により、生産能力の向上とコスト削減を実現している。

紙すきから真空蒸着へ
次の100年を切り開いていく

 1907年に、金銀糸の台紙となる雁皮(がんぴ)の紙すきを始めた同社。昭和初期には金銀糸の製造に着手し、金銀糸の台紙が紙からプラフィルムに、金箔が金属の蒸着による彩色へと移り変わる中、真空蒸着を導入した。そして1970年代に入り、菓子類の酸化を防ぐ遮光性や密封性をもつアルミ蒸着に製菓会社が着目。需要が拡大し、食品包装市場に参入した。
「時代の流れに対応し、現状に甘んじることなく技術革新を続けてきたからこそ、今の当社があります」
 と山本彰社長は話す。
 もちろん順風満帆な時ばかりではなかった。経営していたホテルがバブル崩壊で赤字に陥り売却、撤退に追い込まれた。その反省を踏まえ、経営の透明性を重視し社員に対して経営状態を明らかにするよう方針を変えた。
「それから『頑張れば頑張っただけ評価につながる』と社員の士気が上がり、もともとアットホームだった会社の雰囲気もさらに良くなりました」(山本社長)
 これからの展望を尋ねると、
「さらなる国内の充実とともに、海外マーケットへの進出も視野に入れ、薄膜技術の可能性を追求していきます」
 100年企業の挑戦はこれからも続いていく。

【会社データ】
本社=滋賀県草津市野路1―8―23 IORビル2F
☎=077―561―9811資本金=2000万円
従業員数=179名
事業内容=金銀糸の製造販売(国内・輸出)、真空蒸着製品・各種コーティング製品の製造販売(国内・輸出)
http://www.saichi-kk.co.jp

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