100年企業目指して第2創業期に挑む点字セルのグローバル・ニッチ・トップ企業
工藤 良次 社長
現在では、ホームドアや電気錠、宅配ボックス、ATM等の内部機構部品として幅広く活用される、電磁力を縦方向の動作に変換する「ソレノイド・アクチュエーター」の製造を目的に、1953年6月、㈱広業社通信機器製作所として創業して一世を風靡し、89年現社名に変更したケージーエス株式会社(工藤良次社長)。その後80年代に開発し、今や世界70㌫のシェアを誇る視覚障害者用「点字セル」の製造販売を2本柱に今年創業65周年を迎えた知る人ぞ知るグローバル・ニッチ・トップ企業だ。 高校卒業後様々な職業を経験し、20年前に同社に入社した工藤社長は、一貫して経理・総務・人事畑を歩み、会社全体を見渡す見地から徐々に経営を担う意志を固めていく。3年前の取締役就任を経て昨年9月、同社4代目代表に就任した工藤社長は、「『ソレノイド』の全盛期から衰退期を経験し、『点字セル』の勃興から世界的普及、成熟期を迎えた当社は今、100年企業を目指して足場を固め、次なる飛躍のために力を蓄える、第2の創業期に立っています。先人達が残してくれた製品、サービス、技術、設備や施設を土台に、我々世代の思いと成果を加え、未来の仲間達に受け継いでいく。それこそが私に課せられた使命だと肝に銘じています」 と、社長業を引き受けるに当たっての覚悟を語る。
100年企業を目指す組織作りのために工藤社長は、従業員の意識改革と経営陣の意識統一の指標となる、詳細な経営目標・社是・行動指針を策定。併せて明確な人事戦略と経営承継の方針を経営陣で共有し、会社を成功へと導く羅針盤として明文化している。 例えば社是の第1項目には、「私たちは社会に受け入れられるよう学び、創造し、代謝していきます。」と掲げられており、事業活動における新陳代謝の重要性を説く。同族企業ではない同社では全従業員が将来の経営者候補。主体的に考え、行動し、周囲と連携しながら会社の成長に貢献できる従業員を正当に評価し、上位職に登用していくという。 品質第一を経営陣自らが率先垂範し、そのカルチャー浸透のために社内イベントを活性化、メンター制度も導入して次代を担う人材育成にも注力していくという同社。今後どのように変貌を遂げるかが楽しみだ。「点字の価値復権を」未来担う若者の参加を歓迎 アッセンブリー化によるソレノイド事業の充実と、海外点字セル販売事業の強化、国内視覚障害者支援事業再構築の3本柱で、更なる収益改善と5年後の年商15億円を視野に入れる同社は、未来を担う若手社員の参加を歓迎している。 また、視覚障害者2名が貴重な戦力として活躍する同社は、音声に偏ることで加速している視覚障害者の点字離れを危惧し、「ユーザー座談会」を開くなど、脳を活性化する点字の復権にも心を砕いている。 【会社データ】本社=埼玉県比企郡小川町小川1004☎=0493ー72ー7311設立=1953年6月資本金=1億円事業内容=視覚障害者用福祉機器、ソレノイド製品等http://www.kgs-jpn.co.jp
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