忍者ブログ
Home > 商社・販売・物流・アウトソーシング > 金剛薬品グループ (シリーズNo.1504)

logo

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

金剛薬品グループ (シリーズNo.1504)

「健康」をテーマに創業71年の老舗薬品企業が
描く未来。 開発のパートナーを求む


米田 祐康 会長


 江戸・元禄の時代から製薬・売薬の歴史を刻み、現在でも原料販売からパッケージ、印刷まで、医薬品製造・販売に関わる多分野の企業が集積する「くすりのメッカ」=富山県。

 その富山県富山市で、1946年2月の設立以来、医薬品原料や工業薬品を中心とした卸売業を営んできた金剛薬品株式会社米田祐康会長、黒瀬雅男社長)は、現在では、健康食品を製造する太陽エフ・ディ㈱、企画・販売する㈱コンゴや、環境ビジネスに取り組む㈱コンゴーグリーンを始め、バイオテクノロジーを駆使する研究開発型ベンチャーの㈱ニッポンジーン㈱ニッポンジーン マテリアルまでを擁し、ヒト・動物・植物・地球の健康に関わる全ての分野を事業領域とする企業グループへと進化・発展している。
 太平洋戦争末期、空襲で富山市は焦土と化していた。戦地から送還され、富山陸軍病院の病床で終戦を迎えた米田現会長の父君・故米田憲正氏は、終戦から間もなく家族のため、ひいては日本の復興のために立ち上がり、食酢の製造・販売を始めた。翌46年2月には、戦時中から金剛化学㈱としてビタミンB1の製造に携わっていた一族とともに食酢の製造・販売から医薬品卸販売へと展開する北陸興業㈱を設立。その翌年には、医薬品販売を強力に推進するために金剛薬品㈱と改称した。ここを起点として、売上300億円を誇る金剛薬品グループ発展の歴史に繋がっていく。

日本初のバイオベンチャー
「ニッポンジーン」の誕生

 医薬品原料卸販売でいち早く富山・東京・新潟・大阪の4拠点体制を確立した同社は、高度経済成長の波にも乗り快進撃を続け、63年には、後に別法人㈱コンゴーグリーンへと発展する緑化事業に着手。72年には、大阪支店の得意先であった徳島県の太陽食品㈱の再建に寄与し、健康食品の製造・販売を目的とする太陽エフ・ディ㈱を設立。また74年には東京支店の開発部が独立し、㈱コンゴが誕生。各種健康食品のOEM供給を手掛けることになる。
 その頃、創業者米田憲正氏の長男、米田祐康現会長はアメリカにいた。もともと「生命」に関心があった米田会長は、62年に東京大学農学部に入学。卒業後は同大学院農芸化学科に進み、納豆菌の一種である枯草菌の遺伝子研究に没頭し、枯草菌に非常に有用な形質転換技術を開発した。この研究は今で言う「遺伝子組み換え」そのものと言えるもので、当時のバイオ研究の世界的権威フランク・ヤング博士の目に留まり、招聘を請けニューヨーク州ロチェスター大学に勤務することになる。
 農学博士・薬学博士の博士号を持つ米田会長は、ロチェスター大学での研究でも成果を上げ、日本で最初のバイオ特許を含め、東京大学で2件、ロチェスター大学で2件の遺伝子操作技術関連の特許を取得した。
 そんな折、息子を後継者として迎えるつもりだった父親の憲正氏は、一向に帰ってこない息子を訪ねて数度渡米し説得を繰り返し、81年秋、米田会長は日本でバイオ関連のベンチャー企業を立ち上げる意志を持ってようやく帰国の途に就くことになる。
 翌82年1月には金剛薬品東京支店内に、遺伝子組み換えに無くてはならない試薬の製造を目的とする日本初のバイオベンチャー企業、㈱ニッポンジーンを設立。米田会長唯一人での船出だった。ちなみに、「日本」と「Gene」(遺伝子)を組み合わせた社名の名付け親は、後に米国FDA長官になったフランク・ヤング博士である。
 翌年2月からは遺伝子組み換えに用いる27種の制限酵素とDNAリガーゼ1種の製造・販売を開始。すぐさま博士号を持つ3人のスタッフが入社し人的にも充実した85年には52種類の制限酵素を製造するようになり、当時品目数では世界第2位の試薬メーカーに成長した。
 研究開発を続けるうち、87年にはモノクロナール抗体による特異蛋白質の簡便な検出方法を開発。これは、当時普及していた検査法に比して簡単・迅速な検出システムで、代表的製品となる医家向け妊娠検査薬や排卵日予測検査薬の開発に繋がり、現在国内生産の半分以上を占めている。
 未だ遺伝子という言葉に馴染みがなかった時代に生まれた㈱ニッポンジーンも、現在では遺伝子工学研究用試薬で年商約14億円を弾き出す研究開発型企業に変貌した。
 目下、開発に取り組んでいるのは、医療現場での普及が望まれる各種の診断薬の製品化だ。例えば抗がん剤を投与する場合、何十種類もある抗がん剤の中から個々の患者に適合する抗がん剤を選択するための診断薬。また、手術の際に見つかった腫瘍が良性か悪性かを瞬時に判定する検査薬など、医療過誤や過剰医療を抑制するために重要な役割を果たす診断薬(精密医療・個別化医療)の数々だ。
 すでに、臨床段階に入っている案件もあり、医療現場に革新をもたらす診断薬が陽の目を見る日もそう遠くないことだろう。


予知・予防・診断・治療の全てのサイクルに貢献

 一方、オリゴヌクレオチドのカスタム合成を目的に01年8月に設立された㈱ニッポンジーン マテリアルでは、今年2月より動・植物病の受託検査サービスを開始するとともに「ファイトプラズマユニバーサル検出キット」の乾燥試薬を開発した。
 これにより金剛薬品グループが目指す将来ビジョン「ヒト・動物・植物・地球の健康のための予知・予防・診断・治療の全てのサイクルに貢献する」要素が出揃ったわけだ。
「15年度の国民医療費が42兆円を超え、医療費削減は喫緊の課題です。予知・診断はもとより、治療においても診断薬を活用することで医療費削減に貢献できるはずです。当社では、優れた診断薬開発のパートナーを求めています。一緒に医療費削減を目指しましょう」
 と、米田会長は呼び掛けている。

金剛薬品株式会社
本社=富山県富山市問屋町1―8―7
☎︎=076―451―0161
設立=1946年2月
資本金=3億5000万円
売上高=269億円
事業内容=医薬品原料・工業薬品・食品添加物・科学飼料・健康食品・植物薬・遺伝子組換用試薬等の販売
http://www.kongo.co.jp
株式会社ニッポンジーン
本社=東京都千代田区神田錦町1―5 金剛錦町ビル
http://www.nippongene.com

拍手[0回]

PR
コメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード

『サンデー毎日』最新号絶賛発売中!

サンデー毎日 2018年12月02日号 [雑誌]

2018年12月02日号

新着記事

「スマホで見る」会社の流儀も配信中!

運営会社

株式会社エスコミュニケーション
編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。
《掲載をご希望の場合はこちらまで》
s-comm@s-comm.co.jp

P R