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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

泉海陸作業(シリーズNo.1137)

「国際港湾産業人」たりうる人材育成を主眼に
66年の歴史を刻む港湾運送・荷役企業

吉見 博 社長

「社員は財産、減らすな増やせ」を社訓として、環境保全に配慮した安全・衛生・防災意識の一段の高揚を確立、「ゼロ災害」「ゼロ疾病」「ゼロ事故」の達成を目標として日々の業務に取り組む港湾運送・荷役企業が、1949年7月の設立、今年で66周年を迎える泉海陸作業株式会社吉見博社長)だ。

 港湾運送・荷役とは、港湾において貨物の輸送および保管に付帯して発生する「積付け・取卸し」「仕分け・荷揃え」「搬送・移送」の作業全般をいう。貨物の種類・性質・数量・大きさ・重さや荷姿によって方法が変わり、時代とともに機械化が進むことによって変遷する荷役作業の品質向上は、貿易立国で国を成り立たせてきた日本にとって、裏方ながらも着実に日本の発展を陰ながら支えてきた。
 戦後間もない49年7月、主に石炭やコークスを扱う船内荷役作業、沿岸荷役作業を請け負う港湾運送事業会社として発足した同社。当初は肉体的重労働を伴う作業の割合が多かったが、時代とともに機械化を進め、58年には当時の東京ガスの豊洲工場での石炭荷役作業を経てタンカー船荷役付帯作業についての契約を締結。さらに69年には同じ東京ガスの根岸工場(現根岸LNG基地)でのLNG荷役付帯作業と保安に関する契約を締結する。LNGの荷役付帯作業を手がけたのは全国でも同社が初めてで、現在では根岸LNG基地のほか、川崎市扇島LNG基地、千葉県袖ケ浦LNG基地に詰め所を置き、都市ガスの安定供給に貢献している。
 吉見社長は、
「タンカー部門、特にLNG輸送に関する荷役付帯作業ノウハウに長けている」
 と、自信を見せる。
 また、87年には大井埠頭でのコンテナ荷役を開始。現在では、中国航路を中心とするコンテナ貨物の荷役作業が主力を占める。その他事務部門、湾岸荷役部門、荷役の計画・指揮・監督を行うフォアマン部門の総合力で港湾事業を支えている。

作業品質向上に向け、
毎年「安全衛生防災管理計画書」を作成

 創業3年目の1952年4月に同社に入社。52年勤め上げた後の2004年10月、プロパー社員からは初めての代表として4代目社長に就任した吉見社長は1933年11月生まれの81歳。
 今年で就任11年目になる吉見社長は、入社1年目の20歳の頃、取引先のある幹部に声を掛けられ、
「これからの若い者は、安全や衛生に心を配らなければいけない」
 と諭されたという。
 朝鮮戦争特需の50年代、猛烈な忙しさの中で、安全・衛生・防災は二の次、三の次という時代に掛けられたこの言葉は、若者の脳裏に強い印象を残した。
 同社は88年度から毎年度「安全衛生防災管理計画書」を作成しているが、吉見社長は就任以来この「計画書」をさらにブラッシュアップ。吉見社長自らが執筆・編集を手がけ、全社員と下請け先にも配布する部数の手作りの製本作業に社員も参加、「計画書」の取扱いにも愛着が湧き、中味も熟読玩味するようになったという。
「社訓に掲げる『社員は財産、減らすな増やせ』は、人員確保の側面もあるが、一番は社員の人財としての質の向上に主眼を置いています。そのためには、安全・衛生・防災を口で言うだけでなく、その意識を育む環境の醸成が大切。当社では、その環境作りのために社員の家族にも協力を仰いで、家族ぐるみで意識向上に取り組む仕組みを採り入れています」
 と、吉見社長が語るように、毎年恒例のスローガン募集は、社員とその家族から募る。応募作品の内、「計画書」に掲載された作品の作者には家族の分も含めて金一封を進呈。そのお金で家族が外食に出掛け、「計画書」の話を契機に安全・衛生・防災に話題が発展していけば、という狙いだ。
 ちなみに今年度の応募作品は2109点。今年のスローガンは「安全は ゆとり 気くばり 思いやり」(島宗論さん・成田みさ子さん応募作)に決定した。
 また、「計画書」には吉見社長が日頃からノートに書き溜めた「考えるヒント」を掲載。例えば「ゴルフの聖地」とも呼ばれるイギリスの「ロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ」が昨年に規則を改正し、女性会員にも門戸を開く、といったものや、最近話題になった「ドローン」の危険性についての注意喚起などだ。
 社員が時流に流されることなく、物事の本質を見抜く目を持つようにとの思いを込めた言葉達だ。
 そこには、吉見社長の「仕事は人格なり」の座右銘が息づいている。

安全のためのたゆまぬ努力
新しい安全管理手法を生む

 同社本社事務所では、吉見社長を始め内勤の社員も蛍光ラインの入った作業着を着用。この制服は社員が考案したもので、現場社員も含めて一体となって仕事に向かう雰囲気が生まれる。
 5階建ての本社ビルの清掃も自社で行い、3階の応接室の窓辺には、担当を決めて日除けの朝顔を栽培。近隣の中学校には「都民の台所を守る」(ひそかな誇りです)との標語を入れた新聞ラックを寄贈したり、非常食も地域住民の分まで多めにストックするなど、地域社会への貢献にも積極的だ。
「自分達で出来ることは自分達でやる」という精神は、社員の生涯教育の充実にも繋がっている。
 40年前にLNG船の着桟時に起きた事故を契機に同社が考案した「イエローフラッグ」による合図は、長年の時を経て、今や作業標準に進化している。 

【会社データ】
本社=東京都中央区月島4―18―1
☎=03―3531―1141
設立=1949年7月
資本金=4000万円
従業員数=125名
売上高=21億円
事業内容=港湾運送・荷役事業

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