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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

丸泉興業(シリーズNo.1276)

ステークホルダーと共存共栄で成長と新生
オールラウンダーの中堅物流企業

  物流業界の中でも、トラックを用いて荷を運ぶ運送会社は、全国で約6万3千社がひしめき合い、その9割以上が中小零細企業で構成されている。(『日本のトラック輸送産業│現状と課題│』公共社団法人全日本トラック協会編)

 多くは大手運送会社の下請けであったり、得意分野や地域に特化して事業を展開する企業だ。
 そんな中、北は仙台から西は大阪までネットワークを持ち、あらゆる種類の荷を運ぶ物流のオールラウンダーとして活躍しているのが丸泉興業株式会社だ。


「多種多様な荷を運ぶようになったのは、お客様の依頼に対して『うちではできない』と断るのではなく、挑戦を続けてきた創業時代から貫く信念の結果です。もちろん、その信念は今も絶えず持ち続けています」
 と話すのは、同社の3代目である市川真弓社長
 創業者である父君の市川隆訢氏が山梨からトラック一台で上京し、1977年に川崎で創業した同社。当初は製鉄所内での構内運搬作業をはじめ、港湾荷役作業などを行っていたが、88年には一般貨物自動車運送事業参入へと舵を切る。
 現在では、社員407名と車両約500台を擁する中小の中でも上位の規模を誇る運送会社へと成長を遂げた。大型トラックやトレーラー、ダンプカー、食品用の冷蔵冷凍車まで様々な車種が揃うのも、全て顧客の要望に応え続けてきた証。
 もちろん、こうした大胆な設備投資を続けることができた理由は、他にもある。
「創業社長は常々『綺麗なトラックは一番の広告塔』と口にしていました。洗車している社員を見つけては褒めて回っていたようです。その教えどおり、綺麗なトラックや珍しい車両が走っていると自然と目に留めて頂けるようで、新しいお仕事を頂くこともできました。もちろん、既存のお客様にも『丸泉さんのトラックはいつも綺麗だね』『こんな荷物も扱っているなら、うちもお願いできないか』と喜ばれています」(市川社長)
 現在では建築素材メーカー大手のチヨダウーテ㈱より「石膏ボード」の配送を関東一円で任されるなど、多くの大手企業と信頼関係を積み重ねている。
 そうして新規顧客を次々と獲得する同社だが、意外にも営業を専任とする社員はいない。ドライバーが荷主と直接対面する同社の〝顔であり、一人ひとりのサービスや心配りが評価され、今の繁栄を支えている。

社員は〝宝
受け継がれる創業の想い

 多くのドライバーが大手企業から「優秀ドライバー」の表彰を受ける同社では、挨拶など接遇マナーやサービス向上に向けた取り組みに加え、毎月安全に関するテーマを取り上げ、「ヒヤリハット報告」を含めた情報の水平展開と共有を行う。
 同社の社訓である「共存共栄の精神に基づき 誠意と責務の遂行に努めること」も理念として社員全員に浸透している。
 例えば、業績が良ければ賞与は年3回。年間無事故であれば手当も支給するなど、社員に利益を還元している。年々売上が増加している倉庫業も、社員の意見を反映してスタートしたものだ。人手不足が叫ばれる今、社員の声を吸い上げ、従業員満足度(ES)を高めることも、重要だという。
こうした社員に対する愛情も、創業社長より受け継がれてきた教えだ。
「『社員は〝宝』だと、私が幼い頃から父はよく口にしていました。会社の事で毎日忙しく奔走し、家族の時間や思い出も僅かだった事を当時は少し寂しく思いましたが、社員優先のその想いが丸泉興業を作ったのだなと、今では誇らしい気持ちです」
 と、自らの幼少期を振り返る市川社長が代表に就任したのは、2015年10月。就任以前は介護職という全く畑違いの業界で長年経験を積んできた。介護職を今でも天職だと胸を張る市川社長を襲ったのは、一つの大きな決断だった。
「それまで、創業社長である父と2代目を務めた叔父(市川時男氏)が交代で代表職についていました。しかし、2名が次々と逝去。会社経営や、会社の内部のことがほとんど分からない中、今までのキャリアを捨ててトップに立つことが正しい選択なのか、大変悩みました」(市川社長)
 名実ともに圧倒的なリーダーシップを持っていた創業社長、職人気質で力強く現場を牽引してきた2代目社長、2本の大きな柱を突然失った同社。
 そんな中、取締役会議では「創業家の色を消したくない」という意見が多く出た。そこで白羽の矢が立ったのが、現職の市川社長だ。
「現社長に先代の影を見る事が多くある」と、社員達も口を揃える。創業社長の奥方、市川まさ子取締役と妹君である柴田喜美恵取締役のサポートも受け、新体制の下同社が目指すのは更なる丸泉ブランドの確立だ。

新しい時代を見据えて
〝丸泉ブランドを確立

「父と叔父が成長させたわが社ですが、今後は福利厚生も含めた社内の環境整備に力を入れ、より働きやすい職場を作っていきたいですね。将来に向けて具体的に動いていきます」
 と、新たな決意を語る市川社長。
 16年3月からは経営企画室主導のもと、外部講師を招いた管理者向けスキルアップ講座を開催。一般ビジネスマナーから安全衛生に特化した内容まで幅広く、次世代を担う〝人財の育成を推し進めていく。
 また、物を運ぶだけでない付加価値に焦点をあて、クライアントに喜ばれる「輸送品質」を追求し、先代から継承する普遍的な共存共栄の精神と、時代に合わせたフレキシブルな対応で独自の〝丸泉ブランド確立を目指す。来年40周年を迎える同社は、倉庫の拡充や積極的な採用活動など、持続可能性を見据えたチャレンジを続けていく。
 さらに、〝開かれた運送会社を掲げ、現在NHKで放送中のドラマ「コントレール~罪と恋」の撮影現場としても積極的に協力。挑戦するオールラウンダーとしての同社の姿が窺えるかもしれない。 
     

【会社データ】
本社=神奈川県川崎市川崎区塩浜4―7―1
☎=044―277―1211
設立=1977年2月
資本金=5000万円
従業員数=407名
事業内容=運送業、倉庫業
http://marusen-k.co.jp

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