共棲培養で育んだ「下町乳酸菌」の底力
大手に伍して健闘する「乳酸菌生産物質」物語
村田 公英 社長
TBS系列のTVドラマ「下町ロケット」続編が好評放映中だ。中小のモノづくり企業が大手に肩を並べて奮闘する姿を描くドラマだが、乳酸菌の世界にも、まさに「下町乳酸菌」といえる実力を発揮している中小企業がある。1969年4月創業の「腸能力開発®」企業、株式会社光英科学研究所(村田公英社長)がその注目企業だ。
同社は創業以来、各種乳酸菌群の共棲培養法の研究を続け、約25年前に16種・35株の乳酸菌・ビフィズス菌群を確定。健康な人の腸内で生成する代謝物と同様の「乳酸菌生産物質」の体外での生成に成功した。
共棲培養という手法は学術界や大手企業ではまだ未開発の技術だが、500種100兆個以上といわれる腸内細菌が、共棲状態で健康物質を作り出している体内の環境を、体外で再現しようという取り組みだ。病気や加齢により、自前の代謝物が十分に得られなくなった時には、体外で作った「乳酸菌生産物質」を直接摂取し、その代わりをさせると共に、腸がその能力を取り戻す助けにしようというのが、同社が共棲培養の研究に長年取り組んできた目的であり、成果だ。「25年前に16種・35株の最強チームを確定しましたが、その後も菌と向き合い、会話をし続け、共棲培養の研究は続いています。乳酸菌のチームは生き物のチーム。健全な共棲状態を保つことで、時とともに進化します」 と、村田社長が語る共棲培養法の地道な研究の成果は、短期間での成果を求められる大手には真似の出来ない偉大な業績といえよう。学術誌3誌で12年前の論文が再録 2006年末、田辺アールアンドディー・サービス社(現・田辺三菱製薬)による「乳酸菌生産物質」を題材にした試験が行われ、「乳酸菌生産物質の各種腫瘍細胞(13株)に対するin vitro増殖抑制作用の検討」と題する論文が発表され、話題となった。「免疫力」に関心が集まる昨今、その論文が、先頃ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑氏が編集顧問を務める月刊「細胞」を始めとする学術誌3誌の最新号に再録された。 一方近年では、城西大学薬学部との共同研究の成果として、日本薬学会で「乳酸菌生産物質」の美肌効果も発表されており、中国やEU諸国など、海外にも化粧品素材としての供給が続いているという。 このように学術界にも波紋を広げつつある「乳酸菌生産物質」。メタボローム解析でも、GABAを始めイソフラボン、オルニチン、レスベラトロール等数多くの健康機能物質を含む352種類の発酵代謝物質が特定されており、いよいよ「下町乳酸菌」が長年の研究を経て、大手と肩を並べて檜舞台に立つ日が近付いているようだ。
【会社データ】
本社=埼玉県和光市新倉5-1-25
℡=048-467-3345
創業=1969年4月
資本金=1000万円
事業内容=乳酸菌生産物質の製造・販売、研究・開発
http://www.koei-science.com
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