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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

深井総研(シリーズNo.1245)

世界に新たなエネルギー革命を!
燃料になる「創生フューエルウォーター」

深井 利春 社長

 水と油――。性質が合わずに相容れない関係を表し、古くから諺としても使われてきた二つの物質が遂に融合した。極めて繊細な精密機械であるエンジンに水を注入しても止まることなく動き続けたのだ。
 この衝撃の事実を生み出した画期的な水こそが「創生フューエルウォーター」(以下、SFW)。開発したのは、長野県上田市に本社を構える深井総研株式会社深井利春社長である。
「現代社会でクローズアップされている環境・エネルギー、健康に共通するキーワードは『水』。始めた当時は夢物語でしたが、『水と油は混ざる』と信じて研究を続けて来ました」(深井社長)


 元素記号「1番」が示すように、宇宙で初めて生まれたと考えられている元素が水素。この世に存在するあらゆるものの根源が水素だと考える深井社長は、分子状態にある水素(H²)ではなく、単原子で存在する原子状態の水素(H)に着目した。いわゆる「活性水素」だ。
 しかし、これまでも多くの研究者が水中に「原子状水素」が存在することを確かめる実験を試みてきたものの、測定方法が確立していないため、データの信憑性に意義を唱える専門家も多かった。この難題に挑むために深井社長が敢えて選んだのがエンジン。わずかな不純物が混入しただけでも不完全燃焼し、まして水が内部に入れば壊れて動かなくなり、大量の一酸化炭素を発生させる危険もある。
 それでも実験にエンジンを使うことが、原子状水素の存在だけでなく、SFWのエネルギーとしての実用性を示す上で大切だったのだ。そして、結果は出た。
「エンジンは、SFWに『原子状水素』が含まれていることを証明する〝レントゲン。水素濃度が高い水素水を使った実験でも止まったエンジンが、SFWを使うと動くだけでなく、ガソリンだけを注入した場合よりも長く動き続けました」
 と話す深井社長は、この難易度の高いエンジンを使った実験によって、SFWが原子状水素を多量に含む「活性水素水」であることを見事に証明した。ホームページなどを介して実験動画や検証データも公開。固定カメラで撮影したワンショットの動画には、透明な容器を通ってSFWがエンジンに入っていく様子がはっきりと映し出されている。

石油系燃料との融和燃料として
進む実用化と高まる期待

 原子状水素は酸素と繋がらない単独の存在であるために燃焼しやすく、分子状の水素ガスに比べて4倍近いカロリーの水素ガスを発生させる。先の実証実験でも、水蒸気改質によって原子状水素から水素ガス(H)が発生し、エンジンの燃焼効率が高まったことで長時間の稼動が実現した。
 このような結果から油と混ざって〝燃料になる水と評価され、石油やガスなどの化石燃料と融和してエネルギーの相乗効果をもたらす新燃料技術としてエネルギー業界から大きな期待を集めるSFW。健康や美容への効果効能を高らかに謳う水素水商品が巷に溢れ、一部の業者が〝水を売るビジネスに対するネガティブなイメージを消費者に植え付けている中、その発想は同業他社と全く次元が異なる。
「水の本質を追求する中で〝環境のための水を開発しました。決して〝病気を治すための水ではありません。人間や動物も自然環境の一つ。自然の理に従い、汚染された環境を元の状態にどうやって戻すかを考えてきたのです」(深井社長)
 様々な角度からエンジンという〝レントゲンを使った実証実験を繰り返し、SFWの有用性を次々と示してきた同社。国内では飲食店や美容院、クリーニング店、そして一般家庭でもSFW(創生水)の普及が進むほか、深井社長は精力的に実験プロジェクトを立ち上げ、いよいよ東南アジアを中心に実用が始まった。
 マレーシアのクァンタン市で、昨年9月からSFWを混合した軽油を使い、最新式のターボ付きエンジンを搭載した船舶(漁船)を航行。54・9㌫(自社調べ)の基油削減を達成するとともに、10日間にわたる漁を毎月2度ずつ行い、一度の漁でエンジンは24時間運転し続けた。(メインエンジンスペックは「カミンズマリンエンジン KTA19│M 500HP 排気量19㍑」)。メインエンジン1機と巻き上げ機1機を搭載し、エンジン回転数2000rpmのフルパワーで引き上げ運用し、現在も順調な航海を続けている。
 また、自動車でもマツダ社製「RX8」の社内運用テストで58・4㌫(同社調べ)の基油を削減し、一般車道や高速道路での実走テストも既に完了。ディーゼル発電機(デンヨー社製 型番 DCA-45LSK)では社内運用テストで平均56・2㌫(同社調べ)の基油削減運用に成功し、1カ月にわたる24時間実証確認テストも完了済みだ。
 また、今月からタイの石油開発公社にも本格導入されるなど、着実に普及を続けるSFW。日本が掲げるCO225㌫削減という目標の達成に貢献するとともに、全世界が直面している環境問題の救世主となるだろう。
「車や船を動かすだけでなく、エンジン内部が錆びることなくピカピカな状態を保つほど還元力が高いことも大きな特徴です。論より証拠。実験結果を詳細にお伝えすることで、もはや『水』ではなく『エネルギー』であると評価を頂いています」
 と話す深井社長は、今春に新たな実証結果を発表する記者会見も検討している。
 深井社長を先頭に、実証データの積み重ねと独自の研究活動によって、同社は化学物質を一切使わないエコロジーなエネルギーシステム「創生フューエルウォーターシステム」を構築。飲用や調理用水はもちろん、食器洗いや洗濯、入浴など様々な用途で活用されているSFWのエネルギー利用に本格化の気配が漂う。

故郷を取り戻したい――
仏教と父の教えを胸に

 1995年、日本獣医畜産大学で記者会見を開き、SFWの完成を発表した深井社長。そこに至る過程には、およそ30年という年月と忸怩たる思いがあった。
 レストランを皮切りに、ホテルや温室栽培の事業で成功を収めていた85年の或る日、自ら経営するレストランから千曲川に流れる洗剤の泡を見つけた深井社長は愕然。千曲川を元の姿に戻したい――。翌年には全ての事業から撤退し、水の研究に没頭することになる。
「大好きな故郷の川が汚れている光景を目の当たりにし、自分は何をすれば良いかを考えた時、欲を捨てて『無』になろうと決めました。そこから始まって30年、SFWにかける思いは当時と全く変わっていません」
 と語る、深井社長が強く影響を受けたのは仏教に信心深かった父の存在だ。水や水素というキーワードに辿りついたきっかけも、神仏や自然に対する尊厳にある。
「何事にも陰と陽、プラスとマイナスがあり、中性は無いということを教えてくれたのが父です。お金を稼ぐためではなく、人を助け、尽くすために無から有を生み出す発明を楽しんでいる父の姿を見てきました。『手を汚して(努力して)お金を稼げ』とよく言われたものです」(深井社長)
 自らの原風景を成す千曲川の自然を守るため、SFWの研究に全身全霊を捧げ、環境汚染や原発をはじめとするエネルギー問題に真正面から向き合ってきた深井社長。「水が変われば全てを解決できる」という強い確信を、ただアンチテーゼを唱えるだけでなく自らの行動で伝えてきた。
「どうしても人間は経済を優先してしまう。今でこそ普及している自然農法も20~30年前は存在せず、農薬を使って作業を効率化することが当たり前でした。しかし、それが本来共生すべき自然環境を破壊してきたのです。『良くないこと』とわかっていても、頭ごなしに否定するだけでは何も変わりません。〝究極の反対とは、それに代わるアイデアや技術を自分で生み出すことなのです」(深井社長)

夢を共有する仲間と共に
信州上田から世界に挑戦

 深井社長は、数々の実験を成功させることが出来た大きな要因に従業員の存在を挙げる。同じ夢を共有する仲間が「同志」として集まることが企業の成長と社会貢献に欠かせないと話す。
「頂点に立つ経営者の夢を自分の夢として共有し、追い求めることができる人材こそが重要です。私もスタッフの一人であり、アイデアを出すことが役目。行動して具現化するのは社員です。同じ価値観と夢を持つ共同体でなければ成功に近づくことはできません」
 実際、深井社長は人材採用の面接時にはSFWの資料を見せ、まず考えを聞かせてもらう。同じ夢を持ち、人生を掛けられるかどうかを確かめる「お見合い」を通じてお互いの理解を確認することが大切だと言う。
 11年から東京福祉大学大学院の特任教授に就任し、「諦めなければ夢は必ず叶う」と若者にメッセージを送る深井社長が抱く最大の夢。それは、SFWを導入した水素ロケットを打ち上げること。長きにわたって抱き続ける故郷への思いと情熱、尽きない夢が研究開発をさらに前進させる。
 今年4月に始まる電力小売自由化によって大きく変わるエネルギー市場の中で、水素エネルギーに対する期待も大きく膨らむ。同社は「日本一の兵」として名高い真田幸村の如く、信州上田の地からエネルギー革命を起こし、世界に向けて大きな戦いを挑む。  
【会社データ】
本社=長野県上田市秋和201―2
☎=0268―27―3750
設立=2007年7月
事業内容=新エネルギーの研究開発など
http://www.fukaisouken.jp

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