忍者ブログ
Home > 不動産・住宅・リフォーム > 東北通信装機株式会社(シリーズNo.985)

会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

東北通信装機株式会社(シリーズNo.985)

大手通信会社の電気設備工事で実績
東北のオンリーワン企業として輝き続ける
亀井 俊夫 会長
 未だ私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールである「固定電話」。その仕組みは意外と知られていない。通常、私たちの家にある電話は、すべて電話線をたどって全国各地にある「電話局」に繋がっている。そして電話局内にある「電話交換機」が信号を送り合うことで、通話が可能となるのだ。
 その交換機の電気設備の新設、増設、取換工事を担うことで、日々の快適な通話を陰で支えているのが、宮城県名取市に本社を置く、東北通信装機株式会社だ。
「通常、電気設備工事は電源を止めて作業しますが、我々の場合電圧のかかった状態で工事を行わなければなりません。工事中に電気を止めれば、重要なインフラである電話も止まってしまうからです。その危険性や、高い技術を要することから、東北で同業他社はいません。東北地区で90%程度のシェアを持っています」 と話すのは、同社の亀井俊夫会長。亀井会長は1950年宮城県生まれで、地元東北大学工学部を卒業後、東芝に入社。91年41歳の時に父親が創業した同社の代表取締役社長に就任し、現在に至る。
 工事に使用するラック等、各種部材も自社工場で製造。これらは主要顧客であるNTTの厳しい規格を満たさなければならず、その技術力は同社の強みの一つとなっている。
 近年目覚ましく売上を伸ばしている同社だが、その大きな要因となったのは、2011年の東日本大震災だ。交換機のバッテリーが損壊したり、電話局そのものが津波で流されたりするなどの甚大な被害により、NTTをはじめとする各通信会社からの復旧需要の増大の受け皿になったのだ。
「我々の仕事の40%程度は、電話局のバッテリー等の非常用電源に関係する仕事です。なぜバッテリーが必要かと言えば、電力会社からの電気が止まっても、電話が止まらないようにするためです。ただしバッテリーは頑張っても半日程度しか持ちません。ところが震災時には停電が3、4日と続いたため電話が止まってしまいました。その経験から、各通信会社の非常用電源への意識が高まりました。それが震災後に仕事が増えた一番の要因です」
 と亀井会長は話す。震災によって、同社の果たす社会的役割がより大きくなったと言えるだろう。

アットホームな社風
従業員が楽しく仕事ができる会社に

 同社のように現場工事の多い職場では、すべての従業員に経営者の目を届かせるのは難しい。同社では社員教育の充実に力点を置く。
「『安全と品質』が最重要項目です。電話を止めてしまえば全国のユーザーに多大なる迷惑がかかります。またすべて活性作業(電圧のかかった状態での作業)ですから非常に危険も伴います。その責任の大きさ、危険性というものは、従業員一人ひとりに徹底して認識させるようにしています。先日も『安全大会』を行い、安全意識をより強固なものとしました。また現場の従業員と酒を飲み交わすなど、コミュニケーションをとることも大切にしています」
 と亀井会長。
 また従業員同士のチームワークも非常に重要だという。通常、工事長、班長、作業員数名という構成の、4、5名のチームで作業することが多い。そのためチームが一体とならなければ工事もうまく進まないのだ。そのチームワークをつくりあげるためには、従業員同士良好な関係を築ける環境でなければいけない。そのために、「個人評価」を重視しないというのが同社の特徴だ。同社では個人査定表といったものは存在せず、給与は基本的に入社年度等で一律に設定されている。
「社長になったばかりの頃は個人評価をやったこともありましたが、人間を評価するには物差しが多すぎて、『誰が優秀か、給料を上げるべきか』というような結論には至りませんでした。誰もが納得する評価基準というものはありません。皆が個人主義に走り、互いに助け合うことをしなくなっては、会社にとってはマイナスでしかありません」
 と、その意味を語る。
 更に亀井会長は、従業員同士の〝仲が良い〟ことの重要性を説く。
「従業員の仲が良ければ、皆好んで会社に来ます。会社は楽しい場所でなければいけません。1日24時間の中で、最低8時間は会社で過ごします。そこから食事の時間、寝る時間、風呂に入る時間を除けば残り僅かです。ですから、『会社が楽しい=人生が楽しい』ということにならざるを得ないのです。私自身は、従業員は皆家族だと思っていますし、親のような目線で彼らを見ています」
 このような亀井会長の考えが浸透しているのか、同社にはアットホームな雰囲気が溢れている。


100年続く会社、
小さくても輝く会社を目指して

 亀井会長に今後の展望を聞いた。
「100年続く会社にしたいというのが大きな目標です。しかし、新規事業や規模拡大の野望はありません。現在同業他社は少ないですが、その状況は変わらないでしょう。それだけリスクのついて回る仕事だからです。これからも東北のオンリーワンであり続けます。まずは通信会社の電気設備を守るという社会的責任の大きな役割を、これからも粛々と果たし続けることが重要だと考えています。併せて技術力や従業員の質をさらに上げ、もっともっとお客さんから評価される会社にしたい。まだまだ成長の余地があります。小さくても輝く、コンパクトにまとまった強いチームをつくりあげます」
 また今後避けて通れないのが後継者の指名だが、今のところは未定だという。「オーナー家にこだわりはなく、より的確な人物に任せたいと思っています。後継者には、現在のアットホームな社風を受け継いで、従業員にとって『来たくなる会社』をつくりつづけてほしいです」
 と、未来の後継者に向けてエールを送る。(發) 
   
【会社データ】
本社=宮城県名取市堀内字北竹60
☎=0223―23―7530
設立=1961年4月
資本金=2500万円
従業員数=73名
売上高=13億円
事業内容=電気通信設備工事(電力、無線、基礎)、各種基礎材(ラック等)の設計、製作
http://www.tusin-souki.jp

拍手[0回]

PR
コメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード

『サンデー毎日』最新号絶賛発売中!

サンデー毎日 2017年12月3日号 [雑誌]

2017年12月3日号

新着記事

「スマホで見る」会社の流儀も配信中!

運営会社

株式会社エスコミュニケーション
編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。
《掲載をご希望の場合はこちらまで》
s-comm@s-comm.co.jp

P R